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【見逃した映画特集2020】アングスト/不安

1月3日(日)、1月5日(火)、1月7日(木)上映

©1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

日時

1月3日(日)、1月5日(火)、1月7日(木)上映

料金

【特別料金】一般¥1,300/シニア(60歳以上)¥1,200/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳)¥800 /UPLINK会員¥1,000/UPLINKユース会員¥900 ※サービスデー適用外

詳細 DETAIL

本物の《異常》が今、放たれる。
後悔してももう遅い。
世界各国上映禁止。
常軌を逸した実話を描く、映画史上最も狂った傑作
37年を経て日本劇場公開。

殺人鬼ヴェルナー・クニーセクが起こした1980年1月、オーストリアでの一家惨殺事件。10数年の刑期を終えて予定されていた出所の1ヵ月前、就職先を探すために3日間のみ外出を許された際の凶行だった。決して世に放出してはならなかったこの狂人の異様な行動と心理状態を冷酷非情なタッチで描写した実録映画が『アングスト/不安』である。斬新なカメラワーク、狂人のモノローグで綴る構造、そして全編徹底された冷たく陰鬱なトーン。描かれる内容もさることながら、作品自体が<異常>であり、その凄まじさは他に類を見ない映画史上に残る芸術性をも発揮、観る者の心に深い傷痕を残す。

1983年公開当時、嘔吐する者や返金を求める観客が続出した本国オーストリアでは1週間で上映打切り。他のヨーロッパ全土は上映禁止、イギリスとドイツではビデオも発売禁止。アメリカではXXX指定を受けた配給会社が逃げた。ジェラルド・カーグル監督はこれが唯一の監督作。殺人鬼の心理を探るという崇高な野心のもと全額自費で製作、全財産を失った。

発狂する殺人鬼K.を熱演したのは『U・ボート』(1981)のアーウィン・レダー。撮影、編集は『タンゴ』(1981)でアカデミー賞最優秀短編アニメ賞を受賞したほかジョン・レノンやミック・ジャガーなどのMVでも知られるズビグニェフ・リプチンスキ。冷徹なエレクトロサウンドは元タンジェリン・ドリーム、アシュ・ラ・テンペルのクラウス・シュルツが担当した。『カルネ』(1994)のギャスパー・ノエ監督は本作を60回鑑賞、自身の作品で常にオマージュを捧げている。シリアルキラー映画の極北『ヘンリー』(1986)の欧州版といわれるが、製作は『アングスト/不安』が3年早い。

焦燥と不安を表現し、止めどなく動く主人公の姿を追いながらも、心の中を体感するような感覚すら得る映像世界。抑圧された狂気の恐ろしさ、封印された恐怖の最高点を、思い知る時が来た。2020年、果てしない陰鬱さが日本のスクリーンを初めて染め上げる。

本作は、1980年にオーストリアで実際に起こった事件を描いております。当時の司法制度では裁ききれなかった為に発生した事象であり、本映画をきっかけとして以降大きく制度が変わりました。劇中、倫理的に許容しがたい設定、描写が含まれておりますが、すべて事実に基づいたものであります。本作は娯楽を趣旨としたホラー映画ではありません。特殊な撮影手法と奇抜な演出は観る者に取り返しのつかない心的外傷をおよぼす危険性があるため、この手の作品を好まない方、心臓の弱い方はご遠慮下さいますようお願い致します。またご鑑賞の際には自己責任において覚悟して劇場にご来場下さい。

【STORY】

刑務所を出所した狂人が、とたんに見境のない行動に出る。

『アングスト/不安』(1983年/オーストリア/87分/カラー/ビスタ/原題:ANGST/R15+)
監督:ジェラルド・カーグル
出演:アーウィン・レダー、シルヴィア・ラベンレイター、エディット・ロゼット、ルドルフ・ゲッツ
撮影・編集:ズビグニェフ・リプチンスキ
音楽:クラウス・シュルツ
配給:アンプラグド