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<『ホドロフスキーのサイコマジック』公開記念>サンタ・サングレ/聖なる血

上映中~7月16日(木)

日時

上映中~7月16日(木)

料金

【特別料金】一般¥1,300/シニア(60歳以上)¥1,200/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,100/UPLINKユース会員(22歳以下)¥1,000

詳細 DETAIL

『ホドロフスキーのサイコマジック』の公開を記念してアレハンドロ・ホドロフスキー監督の過去作を一挙上映

邪悪な悪魔の血でさえも天使の存在を思い浮かべる美しい瞬間がある。

映画配給の方法を変えさせたといわれる『エル・トポ』(1971)で衝撃的に登場した、アレハンドロ・ホドロフスキー。製作後10年目にして公開された『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』で、日本の映画ファンを震撼させたことは記憶に新しい。ジョン・レノンが『エル・トポ』に感激して配給権を買い占めたことは有名だが、他にもアンディ・ウォーホール、ミック・ジャガーなど、ホドロフスキーを愛するアーティストは数多い。今やカルト・ムーヴィー・ファンの間だけでなく、各方面で伝説化しつつある存在だ。
『サンタ・サングレ/聖なる血』は、ホドロフスキーが9年ぶりに完成させた待望の新作。実話を基に作られたこの作品は、従来の彼の抽象的、哲学的なイメージをつきぬけた衝撃の物語展開、画面のすみずみに意匠を凝らした圧倒的な映像美と、製作のアルジェントが指向する流麗かつパノラミックな地獄絵が見事に溶けあった話題作である。
20年前、メキシコで1人の若者が30人の女を殺し死体を庭に埋めるという事件が起きた。犯人は精神病院に入院したが、現在は退院し小説家として活躍中である。ホドロフスキーは、この人物に会い、殺人に至る経緯などを詳細にインタビューした後、警察で事実関係をチェック。彼の話が事実であることを確認した。それから6年の歳月を費やし、『サンタ・サングレ』のスクリプトを書き上げたのだ。監督自身「初めて観客のために製作した」と語る『サンタ・サングレ』は、1989年カンヌ国際映画祭で初上映され、熱狂的な拍手で迎えられた。

【STORY】

『サンタ・サングレ』は、サーカス団長のオルゴとその妻でブランコの名手コンチャと、息子フェニックスの、奇妙な物語である。彼らは、メキシコ・シティーの繁華街にあるグリンゴ・サーカスで働いていた。オルゴは女たらしで、サディスティックでセクシャルな関係を浴していた。現在の相手は“刺青の女”だ。コンチャは、狂信的にある偶像を崇拝していた。それは2人の男にレイプされ両腕を切り落とされサンタ・サングレ(聖なる血)を流した乙女の像である。
フェニックスは繊細で感受性豊かな少年。孤独がちな彼には、刺青の女が連れてくる養女で6歳の少女アルマと、淡くかよいあう感受性の交流があった。しかしアルマは、哀れにも生まれながらの聾唖者だった。
ある夜、オルゴの浮気の現場を掴まえたコンチャが彼の下腹部に硫酸をかける。激怒したオルゴは彼女の腕を切り落とし自らも喉を切って自殺する。この一部始終を目撃したフェニックスは、ショックのあまり精神を病み、施設に収容される。
やがて成長し施設を出たフェニックスは、母親と奇妙な一心胴体芸を生み出す。何かに取り憑かれたようなコンチャの心と、フェニックスの腕が一体となって生まれるフリークス・ショー。コンチャの意志のままに、フェニックスは狂気の母親に代わって、身の毛もよだつような殺人を犯していく。息子の前に現れる女すべてに復讐を叫ぶコンチャ。夢遊病者のように殺人を繰り返すフェニックスの前に、美しく成長したアルマが訪れた時、彼は初めて母親の「殺すのよ」という声に抵抗した・・・。

『サンタ・サングレ/聖なる血』(1989年/イタリア/123分/カラー/原題:Santa Sangre)
製作総指揮:アンゲロ・イアコノ、ルネ・カルドナJr
製作:クラウディオ・アルジェント
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー、クラウディオ・アルジェント、ロベルト・レオーニ
編集:マウロ・ボナンニ
音楽:サイモン・ボスウェル
撮影:ダニエーレ・ナンヌッツイ
美術:アレハンドロ・ルナ
衣装:トリータ・フィゲロア
出演:アクセル・ホドロフスキー、ガイ・ストックウェル、ブランカ・グエッラ、セルマ・テイゾー