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ラストムービー

上映中~2月20日(木)

© 1971 Hopper Art Trust, 2018 Arbelos

日時

上映中~2月20日(木)

料金

一般¥1,800/シニア(60歳以上)¥1,200/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000(土日祝¥1,300)ユース会員(22歳以下)はいつでも¥1,000

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『イージー★ライダー』に続く監督第2作――
ハリウッドに葬られたデニス・ホッパー<最後の映画>

ハリウッドの異端者にして鬼才、デニス・ホッパーの狂気に満ちた衝撃作。その革新的な内容ゆえ映画界から葬られた問題作が、約半世紀の時を経てよみがえる。

『ラストムービー』は、『イージー★ライダー』(69)の大成功を受けてつくられたデニス・ホッパーの監督二作目にして、長らくホッパーの作家生命を奪うことになった“呪われた映画”でもある。これまでにない革新的な内容とスタイルで人々を驚かせただけでなく、インディペンデント映画史上空前の興行収入を叩き出し、アメリカ映画業界を根底から揺るがした『イージー★ライダー』によって一躍時代の寵児となったハリウッドの問題児ホッパーは、ユニバーサル製作のもと、長年あたためていた企画『ラストムービー』の撮影にとりかかる。主人公は、ペルーの村へ映画を撮影しに来たスタントマンの男。ドラッグに溺れ、放蕩にふけるうち、男は映画作りを模した村での奇妙な儀式に巻き込まれ、やがて虚構と現実の境目を飛び越えためくるめく世界へと突入する。
完成した映画は1971年ヴェネチア国際映画祭で好評を博すが、観客を戸惑わせる難解な内容と前衛的な構成に困惑したユニバーサルのトップにしてハリウッド最大の権力者ルー・ワッサーマンは再編集を指示。それをホッパーが断固拒絶したことで、映画は短期間での公開後ほぼお蔵入りの状態となる。この騒動でハリウッドに嫌気がさしたホッパーはますます酒とドラッグに溺れ、映画監督としてはその後約10年間の空白期間を迎えることになる。

映画とは、芸術とは何かを問いかける、過激な芸術映画にして失われた傑作

映画作りをめぐる物語を幻想的に描き出した本作は、俳優、映画作家、写真家として活躍するハリウッドの異端者デニス・ホッパーだからこそ作れた過激な芸術映画といえる。複雑なプロットや大胆な編集方法で当時のハリウッドを驚愕させたこの失われた傑作は、長い時を経て、映画とは何か、芸術とは何か、という根源的な問いを私たちに投げかける。


【STORY】

ペルーのクスコにある小さな村で、ハリウッドからやってきた監督(サミュエル・フラー)一行は、ビリー・ザ・キッドの生涯をもとにした西部劇を撮影している。初めて映画の撮影現場を見る村人たちは、暴力に溢れた撮影風景を恐怖と好奇に満ちた目で眺めている。スタントマンのカンザス(デニス・ホッパー)も撮影に参加するが、ハリウッドのスノッブさを嫌う彼は、撮影隊の乱痴気騒ぎをうんざりとした顔で見つめている。

撮影隊が帰った後も村に残ったカンザスは、現地で知り合ったペルー人女性マリア(ステラ・ガルシア)と暮らし始め、自然のなかで彼女と過ごす幸福に酔いしれる。だが金塊探しに妄執する友人ネヴィル(ドン・ゴードン)を介して知り合った裕福なアメリカ人、アンダーソン夫人(ジュリー・アダムス)らと戯れるうち、カンザスは徐々に酒とドラッグの世界へはまり込んでいく。
一方、アメリカ人たちの撮影に感化された村人たちは、自分たちの手で“本物の映画”を作ろうと村に集結していた。彼らは木製のカメラやマイクを手に撮影風景を模倣するが、演技という虚構を理解しないこの撮影隊の前では、すべての行為は現実に行われなければいけない。たとえ暴力や死でさえも。やがてドラッグの見せる幻覚に酩酊していたカンザスは、“本物の映画”で処刑される白人役として担ぎ出され、奇妙で不条理な世界に入り込んでいく――。

『ラストムービー』(1971年/アメリカ映画/カラー/ヴィスタサイズ1:1.85/DCP/108分/原題:THE LAST MOVIE)
監督:デニス・ホッパー 
出演:デニス・ホッパー、ステラ・ガルシア、ドン・ゴードン、
ジュリー・アダムス、ダニエル・アデス、トーマス・ミリアン、ピーター・フォンダ、サミュエル・フラー、クリス・クリストファーソン、ミシェル・フィリップス、ディーン・ストックウェル、ラス・タンブリン
製作:ポール・ルイス 
撮影:ラズロ・コヴァックス 
脚本:スチュワート・スターン 
提供:キングレコード 
配給:コピアポア・フィルム