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今日もどこかで馬は生まれる

上映中~3月5日(木)

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日時

上映中~3月5日(木)

料金

一般¥1,800/シニア(60歳以上)¥1,200/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000(土日祝¥1,300)ユース会員(22歳以下)はいつでも¥1,000

詳細 DETAIL

『今日もどこかで馬は生まれる』初日舞台挨拶決定!!

上映後トークショー決定!

2/21(金)登壇者:沼田恭子(認定NPO法人 引退馬協会代表理事)、平林健一(監督)
3/5(木)登壇者:平林健一(監督)、平本淳也(プロデューサー・撮影)

※ゲストは、決まり次第、お知らせいたします。
※ゲストは、予告なしで急遽変更になる場合がございますので、ご了承ください。

馬と共に生きる人々に聞いた。人と馬の、これから。
競走馬を引退したサラブレッド(引退馬)の多くが
若くして命を終えている。
馬に関わり、馬とともに生きる人々と、
人と馬の、これからを考える映画

現在、競走馬を引退したサラブレッドの多くが、乗馬に転用されているとされていますが、サードキャリア以降の統計は存在しておらず、多くの馬が若くして命を終えていると言われています。競馬があるから多くの馬が生まれ、多くの馬が命を落としています。しかし、競馬があるから、私達は馬に対して、興味や愛情を持つ事が出来たという事実もあるのではないでしょうか。一方的に何かを悪として非難するのではなく、今出来る事を考えたい。人と馬が共生する道をもっと探したい。この映画は人と馬の「これから」を考える映画です。

JRAが主催する中央競馬の2017年度の売上は約2兆7000億円。年間600万人を超える人々が、全国各地の競馬場を訪れています。公営ギャンブルとしてのみならず、エンターテイメントとしても大きな盛り上がりを見せる一方、競馬で走ることができなくなった馬たちの『その後』については、これまであまり語られることはありませんでした。多くの馬たちが、天寿を全うする前にその生涯を終えている——。競馬産業に関わる人々の中で長らく暗黙の了解とされていた、この引退馬の課題について、当事者たちは何を思い、どう考えているのか。その答えを探して私たちは、競馬をこよなく愛するファン、馬主、調教師、生産者、馬を生かしたビジネスを展開する経営者など、さまざまな立場で馬と関わる人々を訪ねました。そこには、馬を尊敬し、馬と真摯に向き合う人々の姿がありました。馬を愛する人たちの声が大きな力に変わり、今、確かに、新しい風が吹き始めています。「人と馬がこれからも共に生きていくために必要な事とは?」——決して善も悪もない、正解も不正解もないこの問いの答えを、皆さんも一緒に探していただけたら幸いです。

【STORY】

「人と馬がこれからも共に生きていくために必要な事とは?」


その答えを探して私たちは、競馬をこよなく愛するファン、馬主、調教師、生産者、馬を生かしたビジネスを展開する経営者など、様々な立場で馬と関わる人々を訪ねました。

OPENING
9万人を超える観客が訪れた秋の東京競馬場。ファンファーレが高らかに鳴り響く。ウィニングランの誇らしさ、その栄光の影にある、深い葛藤。競馬産業に関わるさまざまな人々が、引退馬の課題について思いを馳せる。

SCENE1 競馬を楽しむ人々
なぜ人々はそれほどまでに競馬に魅了されるのか。その理由を、3組の競馬ファンへのインタビューから紐解いていく。また、数十頭の競走馬を所有するオーナーの吉冨学さんには、馬主ならではの競馬の楽しみ方をうかがった。

SCENE2 ひとつの現実
中央競馬の輝かしい舞台で活躍できる馬はごくわずか。それ以外の馬は地方競馬や乗馬への転向を余儀なくされ、さらにその後は行方がわからなくなるケースが多い。その現実は、需要のなくなった馬を競売にかけるセリ市場、そして、食肉センターの中にあった。

SCENE3 引退馬を救うには
走れなくなった馬には本当に生きる価値はないのだろうか。この競馬界の課題に20年以上前から取り組むパイオニアが、千葉県にある認定NPO法人引退馬協会の沼田恭子さんだ。沼田さんは言う。「一頭の引退馬を救うのは、一人の熱い思いを持った人が必要」だと。

SCENE4 「熱い思い」を持った人
沼田さんの言葉そのままに、熱い思いで引退馬を救った人たちがいる。競馬ライターの佐々木祥恵さんとそのパートナーの川越靖幸さんだ。二人が引き取った馬は川越さんが中央競馬で厩務員をしていた時の愛馬【キリシマノホシ】。ここでの日々から生まれるのは、幸せと葛藤だ――。

SCENE5 馬は生まれる
北海道日高にあるコスモヴューファームは、競走馬の生産・育成を行う牧場で、多くの繁殖牝馬と仔馬たちが暮らしている。馬の出産シーズンは春がピークだ。密着2日目の夜、初めてのお産となる馬【コスモラパン】が産気付き、痛みにうめく声が厩舎に響く。

SCENE6 競走馬になるために
個人で牧場を経営する荒木貴宏さんにとって、馬を売ることは生活の支えの一つだ。荒木さんの馬は特に優れた血統ではない上に、体格も小さめ。なかなか思うようには売れず、生産者の苦悩は尽きない。そこに馬主と調教師からなる購買者のグループがやってきた――。

SCENE7 勝負の世界
JRA美浦トレーニングセンターに所属する鈴木伸尋さんは、この道20年を超えるベテランの調教師だ。結果を出すことが決して容易ではない厳しい世界で、成長途上で現役生活を諦めないといけない状況に陥ることは、よくあることなのだという。

SCENE8 競馬から乗馬へ
馬術選手の初田理奈さんは、かつては競走馬だった馬【ウインスプラッシュ】と共に、2年後の競技会参加を目指して練習に励んでいる。「がんばっている姿を見せて、引退馬の存在をたくさんの人に知ってもらいたい」――。人と馬が心を通わせれば、それは決して不可能なことではないのだ。

SCENE9 命の責任
北海道浦河町にある渡辺牧場では、競走や乗馬で故障し、人を乗せられなくなった馬たちが暮らしている。引退後の余生の方がはるかに長い競走馬だが、一頭を1年間養うのにかかる費用は約100万円。愛情だけでは解決し得ないこの問題に渡辺さんが出した答えとはー。

SCENE10 人を乗せない仕事
引退して人を乗せられなくなった馬も引き続き経済活動に参加することができる――。岩手県八幡平市にあるジオファームでは、馬の糞尿を利用して作られた『堆肥』と『マッシュルーム』の生産を行っている。人と馬が共生する未来を築くためのヒントがここにある。

ENDING
全ての引退馬を救うことは出来ないのだろうか。これだけ多くの人々が頭を悩ませているが、解決されずに今日を迎えている。だが馬を愛する人たちからあがった数々の声が、大きな力に変わった。そして今、新しい風が吹き始めている。競馬が生み出す、夢と現実。その狭間で、これからも人と馬は生きていく――。


『今日もどこかで馬は生まれる』(2019年/日本/94分/シネマスコ―プ/DCP)
監督・企画・編集:平林健一
出演:荒木貴宏、大内龍一、岡田義広、川越靖幸、北村宏司、佐々木祥恵、指田直木、鈴木一司、
鈴木伸尋、関眞、田辺智子、津野茂昭、出口宰史、沼田恭子、初田理奈、船橋慶延、三宅優里、
山川大志、吉冨学、渡辺はるみ
配給:Creem Pan