日時
12月27日(金)~12月31日(火)、2020年1月2日(木)
料金
【特別料金】一般¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000
12月27日(金)~12月31日(火)、2020年1月2日(木)
【特別料金】一般¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000
前作、『エルネスト もう一人のゲバラ』でのグローバルな世界観から翻り、地方都市に焦点を当てたドメスティックな本作は、阪本自らが書き下ろしたオリジナル脚本だ。そこに、世界は市井の人々の小さな営みでできているという監督の視点が込められている。主演に稲垣吾郎を迎え、長谷川博己、池脇千鶴、渋川清彦という絶妙の演技で観る者を楽しませてくれる面々が揃った。諦めるには早すぎて、焦るには遅すぎる39歳という年齢の男三人の友情物語を軸に、複数のエピソードを交えながらやがて命の通った夫婦のドラマとしても結実していく。「人生半ばに差し掛かった時、残りの人生をどう生きるか」という誰もが通るある地点の葛藤と、家族や友人との絆、そして新たな希望を描く。撮影は2018年の2月に三重でクランクイン、長閑で風光明媚な南伊勢町を中心にオールロケを敢行した。第32回東京国際映画祭のディレクター陣らから絶賛されコンペティション部門観客賞を受賞した話題作だ。
「こんなこと、ひとりでやってきたのか」。山中の炭焼き窯で備長炭を製炭し生計を立てている紘は、突然帰ってきた、中学からの旧友で元自衛官の瑛介から、そう驚かれる。何となく父から継いだ私にとって、ただやり過ごすだけだったこの仕事。けれど仕事を理由に家のことは妻・初乃に任せっぱなし。それが仲間の帰還と、もう一人の同級生・光彦の「おまえ、明に関心もってないだろ。それがあいつにもバレてんだよ」という鋭い言葉で、仕事だけでなく、反抗期の息子・明に無関心だったことにも気づかされる。やがて、瑛介の抱える過去を知った紘は、仕事や家族と真剣に向き合う決意をするが…。人生半ばに差しかかった彼らが、次の人生をどう折り返すかを描きながらも、人は生きて死ぬ、だからこそ際立つ刹那な幸せをスクリーンに照射させたドラマだ。
【STORY】
とある地方都市。そのまたさらに郊外に暮らす高村紘とその妻、初乃、息子の明の家族は、父から受け継いだ山中の炭焼き窯で備長炭を製炭することを生業としている。中学からの旧友で、自衛隊員として海外派遣されていた沖山瑛介がある日、何の前ぶりもなく、町へ帰ってきた。どうやら瑛介は妻子と別れて故郷に一人戻ってきた様子。紘は、同じく同級生で中古車販売を自営でやっている岩井光彦にも声を掛け、十数年ぶりに3人で酒を酌み交わす。
翌日、廃墟同然だった瑛介の実家を掃除し、住める状態にする3人。海外での派遣活動で瑛介が何か心の傷を負ったのでは?それが妻子と別れ、故郷に戻ってきた原因になったのではないかと、感じる紘と光彦だが、直接聞くことも憚られ、どうすることもできない。紘の息子、明は反抗期の真っ最中で、どうやら学校でイジメも受けている様子だが、紘はそれに頓着していない。「おまえ、明に関心もってないだろ。それが、あいつにもバレてんだよ」鋭いことを光彦に言われハッとする紘。
数日後。「オレの仕事、手伝えよ」過去から脱却できずにいた仕事のない瑛介を巻き込んで一念発起する紘。炭材のウバメガをチェーンソーで伐採し、枝打ちし、短く切断する。窯に火を入れ、炭を掻き出しては灰を掛け、それを何度も繰り返す。出来た炭を段ボールに詰め営業し、新規の顧客開拓を目指すー。「こんなこと、ひとりでやってきたのか」 と紘の仕事ぶりを見て驚く瑛介。これまで感じたことのない張り合いを感じ始めた紘。そんな父を見る明の目にも、変化が現れかけ、それは何もかも順調に向かい始めているように見えていた…。
『半世界』(2018年/日本/120分)
監督:阪本順治
出演:稲垣吾郎、長谷川博己、池脇千鶴、渋川清彦、小野武彦、石橋蓮司
配給:キノフィルムズ