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氷上の王、ジョン・カリー

不定期上映中~8月23日(金)まで

© New Black Films Skating Limited 2018
© Dogwoof 2018

日時

不定期上映中~8月23日(金)まで

料金

一般¥1,800/シニア(60歳以上)¥1,200/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000(土日祝¥1,300)ユース会員(22歳以下)はいつでも¥1,000

詳細 DETAIL

「スケート界のヌレエフ」と評された美しき金メダリストの栄光と孤独──。

光輝く銀盤の上にだけ「本当の自分」がいた

僕の魂には、
才能と同じだけ悪魔が宿っている

アイススケートを「スポーツ」から「芸術」へと昇華させた、伝説の五輪フィギュアスケート金メダリスト、その知られざる光と影。
アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリー。彼はバレエのメソッドを取り入れた演技で、1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得する。しかし、マスコミが真っ先に伝えたのは、表に出るはずのなかった彼のセクシュアリティだった。同性愛が公的にも差別されていた時代に、ゲイであることが公表されたメダリストの存在は、世界中を驚かせ論争を巻き起こす。しかし、彼は華麗な滑りで多くの人を魅了し続け、現在の日本人スケーターにも影響を与えている。

偏見に屈することなく高みを目指し、人を遠ざけながらも愛に飢え、滑り、踊り続けた男の物語。
映画はアスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独、自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでゆく病魔AIDSとの闘いを、貴重なパフォーマンス映像と、本人、家族や友人、スケート関係者へのインタビューで明らかにしていく。新たに発掘された、ホームビデオで撮影された彼の最高傑作『ムーンスケート』について監督のジェイムス・エルスキンは「どんなスケートより美しく心を打たれた。これをみて感動を覚えない人はいないだろう」と語っている。

これは、時代に翻弄され不当な扱いを受けながらも、屈することなく高みを目指し、人を遠ざけながらも愛に飢え、滑り、踊り続けた男の物語。

ジョン・カリーJohn Curry
1949年9月9日、イギリス・バーミンガム生まれ。部品工場を営む家に、ふたりの兄とともに育つ。厳格な父親には「男らしくない」とバレエを習うことは許されなかったが、アイススケートは許可され、7歳のときにレッスンを始める。
卓越した身体能力と革命的な振付で、1971年と、1973年から76年まで全英チャンピオンに輝く。1976年にアマチュアとしてのキャリアの頂点に達し、英国大会、ヨーロッパ選手権で優勝、さらにインスブルック(オーストリア)でおこなわれた冬季五輪でも金メダルを獲得し、次いで世界選手権でも優勝。これは、五輪で英国がフィギュアスケート男子シングルで獲得したはじめての金メダルとなった。
1976年の世界選手権のあと、プロに転向。従来のダンス・カンパニーの興行と同形式の自身のツアー・カンパニーを起ち上げ、のちに振付師として活躍することになるローリー・ニコル、リー・アン・ミラーなどが参加。トウィラ・タープ、サー・ケネス・マクミラン、ピーター・マーティンなどバレエ、ダンスの高名な振付師とともに活動した。
1987年にHIVと診断され、1991年にエイズ発症。同年引退。1994年4月15日、エイズによる心臓発作のため英国ウォリックにて44歳で死去。

『氷上の王、ジョン・カリー』(2018年/イギリス/89分/英語/原題:The Ice King)
監督:ジェイムス・エルスキン
出演:ジョン・カリー、ディック・バトン、ロビン・カズンズ、ジョニー・ウィアー、イアン・ロレッロ
ナレーション:フレディ・フォックス
字幕翻訳:牧野琴子/字幕監修・学術協力:町田樹