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シンポジウム「映画以内、映画以後、映画辺境」

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2014年から通算20回以上を重ねる連続講座と、並行して制作されてきた「音から作る映画」プロジェクトのこれまでを総括するツーナイト。

第一夜・2月18日(日)
「〈映画の未来〉は、もう問題ではないのか?」
デジタル化された映画は、昔の映画と同じものなのか?そんな懐疑はすでに過去のものなのか?反語的な問いかけで、今、映画がどこにあるか、どこへ行こうとしているかを考えるロング・トーク。先行してデジタル化した「写真」へも目配せします。
登壇:岡田秀則、金子遊、倉石信乃、廣瀬純、吉田広明、七里圭
※参加者全員に、講座4年間のまとめ冊子(総頁110P越え!)をプレゼント


第二夜・2月24日(土)
「〈音から作る映画〉は、何をしてきたのか?」
ある時は映画、ある時はパフォーマンス。さまざまな形に変容し増殖する謎のプロジェクト。それは「シネマの倒錯的再創造」か、「ポスト・ヒューマンな表現」か? 〈音から作る映画〉その可能性の中心について、これまでの上演記録など参考映像を見ながら話し合います。
登壇:佐々木敦、土居伸彰、宮沢章夫、七里圭

主催:charm point
助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

関連イベント
「映画以内、映画以後、映画辺境」と「音から作る映画」のこれまで展
2014年から作品発表や催しが始まった「音から作る映画」プロジェクトと連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」。その4年以上に及ぶ足取りを記録写真と貴重な資料で振り返ります。
【2018年2月14日(水)~26日(月)】
入場無料
会場:UPLINK GALLERY(1F)


「映画以内、映画以後、映画辺境」とは?

「映画が“映画のようなもの”にすり替わっているような気がする」という映画監督・七里圭のあいまいな違和感を出発点に、2014年2月から続いている連続講座。現在までに五期、通算22回を重ねている。
毎回、識者を迎えて七里の疑問、掲げたテーマに沿って講義、討議しながら、デジタル化された映画がどこへ向かおうとしているか、あるいは映画とはそもそもどこから来たか、過去と未来を射程に入れながら、映画とは何かを、考察している。

※第三期までのアーカイブ

【登壇者プロフィール】
岡田秀則
1968年生まれ。東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員。フィルムセンターにて、2007年からは映画展覧会のキュレーションを担当。単著に『映画という《物体X》』(立東舎)。共著に『映画と「大東亜共栄圏」』(森話社)『ドキュメンタリー映画は語る』(未來社)など。


金子遊
1974年生まれ。批評家、映像作家。著書『映像の境域』(森話社)でサントリー学芸賞〈芸術・文学部門〉受賞。ほかの著書に『ドキュメンタリー映画術』(論創社)など。編著に『クリス・マルケル』(森話社)、『アピチャッポン・ウィーラセタクン』(フィルムアート社)ほか多数。ドキュメンタリーマガジン「neoneo」編集委員。


倉石信乃
1963年生まれ。写真・美術批評、詩人。明治大学理工学研究科総合芸術系教授。2007年まで横浜美術館学芸員を務め、「ロバート・フランクームーヴィング・アウト」展(1995年)「中平卓馬 原点回帰―横浜展(2003年)などを担当。単著に『反写真論』(オシリス、河出書房新社)『スナップショット 写真の輝き』(大修館書店)。共著に「写真分離派宣言」(青幻舎)など。


廣瀬純
1971年生まれ。映画批評、哲学。龍谷大学経営学部教授。近著に『シネマの大義』(フィルムアート社)、『三つの革命 ドゥルーズ=ガタリの政治哲学』(佐藤嘉幸との共著、講談社選書メチエ)。他の著書に『美味しい料理の哲学』(河出書房新社)、『シネキャピタル』(洛北出版)、『暴力階級とは何か』(航思社)、『ア
ントニオ・ネグリ』(青土社)など多数。


吉田広明
1964年生まれ。映画批評家。著書に『B級ノワール論』『亡命者たちのハリウッド』(共に作品社)。


佐々木敦
1964年生まれ。批評家。音楽レーベルHEADZ主宰。ゲンロン批評再生塾主任講師。早稲田大学、多摩美術大学、東京工業大学非常勤講師。著書多数。近著として『新しい小説のために』(講談社)『筒井康隆入門』(星海社新書)。


土居伸彰
1981年生まれ。アニメーションの配給等を行う株式会社ニューディアー代表。新千歳空港国際アニメーション映画祭フェスティバル・ディレクター。2014年より、「アニメーション概念の拡張と逸脱」を掲げるフェスティバルGEORAMAも都内にて開催。著書に『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメーション論』『21世紀のアニメーションがわかる本』(共にフィルムアート社)。


宮沢章夫
1956年生まれ。劇作家・演出家・作家・早稲田大学文学学術院教授。1980年代半ばから「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」の作・演出。1990年、演劇ユニット「遊園地再生事業団」を結成し、1993年戯曲『ヒネミ』(白水社)で岸田國士戯曲賞を受賞、2010年『時間のかかる読書』(河出文庫)で伊藤整文学賞(評論部門)を受賞。


七里圭
1967年生まれ。映画監督。近年は「音から作る映画」シリーズ(2014~)、建築家と共作した短編『DUBHOUSE』(2012)など実験的な映画作りに取り組む。代表作は声と気配の映画『眠り姫』(2007-2016)だが、そもそもは商業映画の現場で約10年助監督を務めてデビュー、『のんきな姉さん』(2004)、『マリッジリング』(2007)などを監督。