映画から、いっさいの光を取り去ったら、いったい何が現れるのだろう?
人の姿を映さず、濃密な人の気配だけを表現した異色作『眠り姫』。
そのサウンドトラックを、深い深い暗闇の中で、ひたすら浴び続ける伝説の上映イベント
「闇の中の眠り姫」が5.1chサラウンドにリマスターした圧倒的な音響で再降臨。
今年6月京都で好評を博した「闇の中の眠り姫サラウンド」、東京初上演――。
これは、視覚を超えた映画体験!
河合隆史(人間工学・早稲田大学理工学術院教授)×七里圭(映画監督)
「映画以内、映画以後、映画辺境」第五期2回(通算22回)
「闇と視覚とVR(ヴァーチャル・リアリティ)」
3DからVRへ、映画の領域を拡張し浸食する最新の視覚表現技術。人間工学の気鋭の研究者を迎えて、暗闇の映画体験から説きおこす、めくるめく脳内イメージ・トーク。イメージ
とは何か、その表現のラジカルについて問い直します。また、七里監督が高校生時代に撮った幻のデビュー作『時を駆ける症状』(1984)も特別上映。でも、なぜ?
特別上映:『時を駆ける症状』(1984年/24分/8㎜→デジタル上映)
16歳で撮った正真正銘の処女作。第8回PFFに入選し大島渚に激賞された。突然、人間の体が点滅を始め、それが段々早くなり消滅する奇病が全国に蔓延。対策として踏み台昇降運
動が奨励される。自己の存在の意味と没個性社会への問いかけが、踏み台を昇降する機械的な運動のリフレインによって描かれる。
※「闇の中の眠り姫」上演後、休憩を挟んで講座を開始します。
※場内は完全な暗闇を作るため、開演後の途中入場はできません。必ず開演時刻前にお越しください!