京都ドーナッツクラブが映画事業を始めるきっかけとなったイタリアの異才シルヴァーノ・アゴスティ監督。
その代表作となる3作品(『快楽の園』『カーネーションの卵』『ふたつめの影』)のDVD発売を記念し、最新作「不可能という魅力」(Il fascino dell‘impossibile, 2015) を関東初上映します。
シチリアの片田舎に、発達障害の子供たちのための開放的な施設を作ったルイージ・フェルラウト。
その驚くべき活動の軌跡を追ったドキュメンタリーです。
音楽は「ニュー・シネマ・パラダイス」でも知られる映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。
トークゲストに精神科病院を調査報道するジャーナリスト・大熊一夫氏をお招きします。
『不可能という魅力』
原題:Il fascino dell’impossibile
2015年/イタリア/カラー/60分
監督:シルヴァーノ・アゴスティ
音楽:エンニオ・モリコーネ
シルヴァーノ・アゴスティ
1938年、ブレーシャ生まれ。作家、映画監督、詩人、俳優。愛、労働、性、精神病、宗教、権力など、テーマの広さとラディカルな表現から、驚異のインディペンデント監督として各国の映画祭で絶賛。イタリア最高峰の文学賞・ストレーガ賞にノミネートするなど、文筆家としても大きな成果を残す。1日3時間以上は働かず、99歳になったらお祝いにセックスをして死ぬつもりだと公言する。権力、イデオロギー、世間の常識などから解放され、常に「人間」であるべきだと語る。 商業主義を嫌い、経済的にも精神的にも独立して創作するために、映画製作配給会社・映画館・出版社を自ら経営。自身が1983年にローマに開いた映画館「アッズッロ・シピオーニ」は、何十年もの間ローマ市民に愛されている。
野村雅夫
ラジオDJ/翻訳家。Ciao! MUSICA (FM802)、897Selectors (InterFM897)、音力 ONCHIKA(ytv)。イタリア文化を紹介する「京都ドーナッツクラブ」代表で、映画や小説の翻訳も行う。訳書『1日3時間しか働かない国』など。当イベントのMCを務める。
大熊一夫
日本の新聞・雑誌記者、ジャーナリスト。1970年、アルコール依存症を装って精神科病院に潜入入院し、『ルポ精神病棟』を朝日新聞社会面に連載。現在、精神科病院廃絶に向け活動を行っている。近著に『精神病院はいらない!』など。