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『Soul Odyssey – ユーラシアを探して』

詳細 DETAIL

好評につきアンコール上映3日間
■1月21日(土)15:30の回
トーク登壇者:宇治野宗輝(うじの むねてる)、渡辺真也(監督)


■1月24日(火)15:30の回
トーク登壇者:稲葉俊郎(いなば としろう)、渡辺真也(監督)


1月30日(月)19:00の回
トーク登壇者:鶴岡真弓(つるおか まゆみ)、渡辺真也(監督)

世界人権映画祭(インドネシア)にて国際優秀賞とストーリー賞を受賞しました!


「全く新しい映画的考古学の試みがいま、ユーラシアの歴史の未知の地層を明らかにしようとしている。」

–本映画アソシエイトプロデューサー 國分功一郎 (哲学者)

この映画は、私、渡辺真也のユーラシア大陸横断の旅を辿ったものです。8年に渡るアメリカ生活にて、私は「アジア人」と呼ばれる様になりました。日本人である私は、アジア人として生まれたのではなく、その時をもってアジア人になったのだと気づきます。同じくその頃、私はドイツ人アーティストのヨーゼフ・ボイスと韓国人アーティストのナムジュン・パイクによる生涯に渡るコラボレーション活動『ユーラシア』に出会いました。彼らは分断されたヨーロッパとアジアを、一つの大陸文化『ユーラシア』として統一しようと試みたのです。彼らの『ユーラシア』の夢を実現すべく、私はベルリンから故郷である静岡まで、13 カ国を横断し、文化の連続性を探る旅に出ました。



この映画を、あなた自身の映画を作りなさい、と私を励ましてくれた故クリス・マルケル監督に捧げます。マルケル監督は死の三週間前、私にメッセージを書いてくれました。

「こんにちは、真也……メッセージありがとう。僕に会いたいとなると、残念なことに、タイミングがあまり良くないんだ。病院は新しい友達に会うには最良の場所ではないし、僕はしばらくここにいることになりそうなんだ。すまない。けれど、20歳の時に『レベル・ファイブ』を見たことが君の映画制作を永遠に妨げているとは考えないでくれないだろうか。君にはこれからたくさんの創造的人生が開かれていて、それは君が満喫すべき宝物なのだから。- 僕を信じて欲しい。間違いないから。」

これが私がこの映画を作った理由です。 劇中では、マルケル監督が自身の出生場所だとして主張していたモンゴルのウランバートルにて、シャーマンを通じてマルケル監督との交信を試み、彼の映画『レベル・ファイブ』の背後にある秘密を解き明かしていきます。

芸術を、そして魂の不滅を信じる全ての人に、ぜひ見て頂きたい映画です。


『Soul Odyssey – ユーラシアを探して』(2016/ドイツ、日本、韓国/カラー/108分/16:9/Full HD)
脚本・監督:渡辺真也
エグゼクティブ・プロデューサー:山口桂
アソシエイト・プロデューサー:安成珍、本阿弥清、國分功一郎、ジョン・ボン&ヨン・ジュン・リー
編集:鈴木光、橘瑞姫、渡辺真也
音楽・サウンドデザイン:オカモトサトシ [sub-tle.]
制作顧問:エルヴィン・M・シュミット
脚本コンサルタント:フランツ・ローデンキルヒェン
ナレーション:オードリー・チェン、渡辺真也
ビジュアルデザイン:相澤幸彦

写真:金瑞姫

写真:金瑞姫



監督:渡辺真也 Shinya WATANABE
ベルリン工科経済大学講師。1980年静岡県生まれ。ニューヨーク大学大学院美術修士課程を修了後、現在ワタリウム美術館で開催中のナムジュン・パイク展『2020年 笑っているのは誰?+?=??』(2017年1月29日まで)など、国民国家に焦点を当てた国際美術展を世界各地で企画・開催。博士論文「ヨーゼフ・ボイスとナムジュン・パイクのユーラシア」を執筆中。これまでキュレーターとして活動してきた渡辺にとって、この映画が初めての作品かつ初監督作品となります。



宇治野宗輝 (うじの むねてる)
1964年東京都生まれ。90年代より「LOVE ARM」シリーズをはじめとするサウンドスカルプチャーの制作と、作品を用いたパフォーマンスを行なう。2004年からは、大量消費社会が急速に拡大した 20世紀以降の「物質世界のリサーチ」として、家電製品や自動車などの日常的なモノと技術を組み合わせた、サウンド/スカルプチャー/パフォーマンスのプ ロジェクト「The Rotators」に取り組んでいる。


photo by. Kohei Yamamoto
稲葉俊郎(いなば としろう)
1979年熊本生まれ。医師。2004年東京大学医学部医学科卒業。2014年東京大学医学系研究科内科学大学院博士課程卒業(医学博士)。現在、東京大学医学部付属病院 循環器内科 助教。東大病院では心臓を内科的に治療するカテーテル治療や先天性心疾患を専門とし、往診による在宅医療も週に一度行いながら、夏には山岳医療にも従事している(東大医学部山岳部監督)。医療の多様性と調和への土壌づくりのため、西洋医学だけではなく伝統医療、補完代替医療、民間医療も広く修める。国宝『医心方』(平安時代に編集された日本最古の医学書)の勉強会や民俗学の上映会も主宰。未来の医療と社会の創発のため、伝統芸能、芸術、音楽、民俗学、農業・・など、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に行っている。



鶴岡真弓(つるおか まゆみ)
早大大学院修了。ダブリン大学トリニティ・カレッジ留学。現在、多摩美術大学教授、芸術人類学研究所長。ケルト&ユーロ=アジア芸術表象学。西はアイルランドから中央ユーラシア、東はシベリアへ至る「生命デザイン」調査。主著『ケルト/装飾的思考』『ケルト美術』(筑摩書房)、『ケルトの歴史(共著)』『装飾の神話学』(河出書房新社)、『装飾する魂』(平凡社)、『阿修羅のジュエリー』(イースト・プレス)、『ヨーロッパの装飾文様』(東京美術)、主訳書シャーキー『ミステリアス・ケルト』(平凡社)、ミーハン『ケルズの書』(岩波書店)など多数。NHK「人間大学」等、映画『地球交響曲第一番』でアイルランドの歌姫エンヤと共演。