分離壁で囲まれたパレスチナの今を生き抜く若者たちの日々を、切実にサスペンスフルに描く映画『オマールの壁』の理解をさらに深める為のトーク付き上映を、4月21日(木)、4月22日(金)、4月27日(水)の3回開催。毎回ゲストをお招きしテーマごとにお話しいただきます。
「占領」とは一体どういうことなのか?パレスチナの若者に何が起きているのか?昨年までラマッラーの対パレスチナ日本政府代表事務所にプロジェクト調整員として勤務し、現地の人びとの生活基盤改善に取り組んでいた塩塚祐太さんをお招きし、動画や画像で現地の模様をご紹介いただきながらお話しいただきます。
日時:2016年4月21日(木)19:30の回上映終了後
ゲスト:塩塚祐太(在ラマッラー対パレスチナ日本政府代表事務所・元草の根無償資金調整員)
占領地に生きることを強いられているパレスチナ人にとって、内通者の問題は微妙にして深刻な問題です。その気になればイスラエル側はいとも簡単にパレスチナ人を内通者に仕立てあげることができるからです。ここでは、内通者を生むパレスチナ/イスラエルの政治背景について、パレスチナを中心とする中東地域研究を行われている東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授の錦田愛子さんにお話いただきます。
日時:2016年4月22日(金)19:30の回上映終了後
ゲスト:錦田愛子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授)
本作に登場する「壁」は、イスラエルとパレスチナの境界に沿って建てられているものではなく、パレスチナの中で彼らの生活圏を分断する形で建てられ、パレスチナの人々は財産の破壊と土地の接収、移動の自由の制限を強いられています。ここでは、パレスチナ問題の基礎や、壁がもたらす西岸・エルサレムでの問題について、JVCパレスチナ事業担当の並木麻衣さんにお話しいただきます。
日時:2016年4月27日(水)19:30の回上映終了後
ゲスト:並木麻衣(JVCパレスチナ事業担当)
(2013年/パレスチナ/97分/アラビア語・ヘブライ語/カラー/原題:OMAR)
監督・脚本・製作:ハニ・アブ・アサド(『パラダイス・ナウ』)
出演:アダム・バクリ、ワリード・ズエイター、リーム・リューバニ ほか
配給・宣伝:アップリンク
【STORY】
思慮深く真面目なパン職人のオマールは、監視塔からの銃弾を避けながら分離壁をよじのぼっては、壁の向こう側に住む恋人ナディアのもとに通っていた。長く占領状態が続くパレスチナでは、人権も自由もない。オマールはこんな毎日を変えようと仲間と共に立ち上がったが、イスラエル兵殺害容疑で捕えられてしまう。イスラエルの秘密警察より拷問を受け、一生囚われの身になるか仲間を裏切ってスパイになるかの選択を迫られるが…。