イベント EVENT

映画で旅するイタリア

詳細 DETAIL

今年も6回に渡り開催!映画で旅するイタリア

上映後、京都ドーナッツクラブ代表・野村雅夫氏によりトークショーを行います。

【スケジュール】
4月26日(火)


『モスクでピッツァ!?』 Pitza e datteri(2015年/イタリア/カラー/92分)
日本初公開
監督:ファリボルツ・カムカリ
配給:ADRIANA CHIESA ENTERPRISES
突如モスクを追い出されたヴェネチアのイスラム教コミュニティー。あろうことか、その場所はド派手な美容室に変貌する。神聖なモスクを取り返すべく送り込まれたのは、イスラム教の若き指導者サラディーノ。心優しい彼は、ヴェネチア生まれのイスラム教改宗者ベーピらとともに、困難に立ち向かう。そのベーピをコミカルに演じるのは、国内最大の映画賞ダヴィッド・ディ・ドナテッロで三度に渡り助演男優賞を獲得したジュゼッペ・バッティストン。ヨーロッパ全体がテロの脅威に揺れ動く中で封切りされた本作。クルド人監督のファリボルツ・カムカリは「このデリケートな主題を扱うには、コメディーしかないと思った」と語っている。
©COPYRIGHT 2015 BOLEROFILM


5月30日(月)


『ローマの教室で〜我らの佳き日々〜』Il rosso e il blu(2012年/イタリア/カラー/101分)  
監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ
配給:クレストインターナショナル
ローマの公立高校に勤務する異なるタイプの三教師と、生徒たちの交流を一年間に渡って描いたヒューマンドラマ。キャストは名優揃いで、校長をマルゲリータ・ブイ、新米熱血教師をリッカルド・スカマルチョ、やる気のない老教師をロベルト・エルリツカが担当。生徒たちのほうも、大人びた派手好き女子、ルーマニア移民の優等生、母親に捨てられ体育館で眠る男子生徒など、多種多様。彼らが織りなす人間関係は、現代イタリア社会の縮図とも言える。原作は実際に高校教師を兼業する作家マルコ・ロドリのエッセイ集『赤と青 ローマの教室でぼくらは』。現場の人間の確かな筆致を、ベテラン監督ジュゼッペ・ピッチョーニが見事に映画化した。
©COPYRIGHT 2011 BiancaFilm


6月21日(火)


『俺は平凡イタリアン』Italiano medio(2015年/イタリア/カラー/86分)
日本初公開
監督:マッチョ・カパトンダ
配給:Medusa Film
厳格なエコロジストのジュリオ・ヴェルメは、社会問題に無関心な一般人に日々苛立っているのだが、その行き過ぎた言動には、ガールフレンドのフランカも愛想をつかしてしまうほど。失意のジュリオは自暴自棄になり、友人に勧められるまま、ある錠剤を口にする。それは人間の脳の働きをわずか2%に抑える魔法の薬だった… 脳の働きを100%に引き上げる薬が登場するアメリカ映画『リミットレス』のパロディーなのだが、そもそもは実在するテレビのバラエティー番組の1コーナーで、架空の映画の予告編を紹介するという企画から生まれた。このコーナーを担当していた芸人マッチョ・カパトンダは、本作で主演と監督を務め、映画界に独自の笑いを持ち込んだ。
©COPYRIGHT 2015 Medusa Film


7月26日(火)


幸せのバランスGli equilibristi(2012年/イタリア、フランス/カラー/107分)
監督:イヴァーノ・デ・マッテオ
配給:Action Inc.
ローマの役所に勤めるジュリオは、同僚との浮気がばれて家を出ることに。ふとした過ちによっていとも容易く人生から転げ落ちていく男。その家族が彼に向ける思いやりが切ない。法外な家賃、低賃金での肉体労働、車中生活と酔っぱらいのケンカ。今まで見向きもしなかった劣悪な生活環境は、平穏な生活のすぐ隣に存在していた。きっと誰しもが、転げ落ちぬよう、綱の上でバランスを保つ曲芸師(原題Gli equilibristiはこの意味)なのだ。主人公を演じるのは『フォンターナ広場』の刑事役が記憶に残るヴァレリオ・マスタンドレア。過酷な日々の中で徐々に疲弊していくジュリオの心境を見事に表現した本作で、2013年のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で主演男優賞に輝いている。
©COPYRIGHT 2014 Action Inc.


8月30日(火)

『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』Sacro GRA(2013年/イタリア、フランス/カラー/92分)
監督:ジャンフランコ・ロージ
配給:シンカ
全長約70Kmに及ぶローマ環状線GRA(グラー)は、不気味な様相で肥大化する郊外の象徴。本・写真・WEBサイトなどの形で、それをドキュメントする一大プロジェクトSacro GRA(サクロ・グラーと読み、「聖なる環状線」を意味する)の映画編が本作だ。GRA周辺で暮らすのは、救急隊員、植物学者、ウナギ漁師… 彼らの生活は、永遠の都ローマの華やかなイメージとは程遠いものだが、温かみも感じる。ローマの「荒んだ郊外」は、今までにも映画の舞台となってきたが、本作はドキュメンタリーという形で、より生々しく、そして魅力的にその世界を照らし出している。2013年、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。監督ジャンフランコ・ロージは今年のベルリン国際映画祭で金熊賞も獲得し、三大国際映画祭で二冠を制した。
©COPYRIGHT 2013 DocLab


9月27日(火)


越境の花嫁Io sto con la sposa(2014年/イタリア、パレスチナ/カラー/89分)
監督:アントニオ・アウグリアーロ、ガブリエーレ・デル・グランデ、カレド・ソリマン・アル・ナッシリー
福祉の国スウェーデンを目指す難民たちの姿を追ったドキュメンタリー。発端はミラノ鉄道駅での出会いだった。駅のカフェでコーヒーを飲んでいたイタリア人記者とパレスチナ人の詩人が、イタリアに着いたばかりの難民たちに話しかけられる。「スウェーデン行きの電車はあるか」。そこで記者たちが思いついたのは、密入国者として逮捕されることを避けるため、結婚式の格好で彼らに旅をさせるという突飛なアイデアだった。撮影後はクラウド・ファンディングで資金を募りポスプロを乗り切った正真正銘の手づくり映画。中東風の映画音楽と、難民の少年が歌うラップにも注目したい。2015年度銀のリボン賞ドキュメンタリー特別賞受賞作。
©COPYRIGHT 2015 Gina Films