イベント EVENT

月刊 平野勝之 (第二十六回) 平野勝之のわくわく青春映画講座 vol.2『雷魚』ゲスト:杉山正弘、小口容子

詳細 DETAIL

平野勝之8mm作品上映会 第二夜!殺伐とした地方都市、アイドルオタクの狂気と幻想を描いた衝撃作『雷魚』を上映!

平野勝之の久々の新作となる、AV女優・上原亜衣の引退作品の予告編上映も有り!!

【上映作品】

『雷魚』(1988年/8ミリ/120分) ※DVD上映
出演:杉山正弘、小口容子、鈴木豊 他
制作:シネマヴァリエテ

イメージフォーラムフェスティバル1990 審査員賞(ドミニク・ノゲーズ 作家・パリ第一大学教授 推薦)



【解説】

平野8ミリ時代最後の作品。今で言うアイドルオタクの狂気と幻想を描いたドラマ。前作の「愛の街角~」とは違い、劇映画色が強度を増しているが、物語は予測不能な破綻に向かっていく。
地方都市の殺伐とした異様な風景、密室で黙々と魚を飼う男と、突如、闖入してきた女性との確執、夜の映像、男の狂気にシンクロするように魚は巨大化していく。平成の宮崎事件の直前に描かれた問題作。

「これは、当時、藤原新也の「乳の海」とかを読んでいて、なんかヤバい事になりそうな世相を描いてみたかったんです。もうこの頃から地方都市なんて壊れていて、僕の住んでいた浜松も、何だかいやーなでかい巨大団地とか建って、街中も人気もなく無意味に殺伐としていて、今に通じる地方都市の壊れた雰囲気はこの頃から始まったていたんです。こういう話が生まれた背景はそんなところにありました。そんな時代でも女性は元気なわけですが、そういう女性が闖入者として男の城に入ってきてしまう。そこで激しい摩擦が起こるわけです。そんな様子を描いています。本作はイメージフォーラムフェスティバル1999で審査員賞をいただきました。フランスのドミニク・ノゲーズさんに「俳優の素晴らしい演技、我々の予想するところに決して留まらない演出設計」という評価をいただき、また、この時、審査員をなさっていた細野晴臣さんに「雷魚は好きではないけど、全作品を見終えた後、初めて、この作品が他のどれよりも映画的話法を使ったものと知りました」という評価をいただき、とても嬉しかったです。また、同名の日本映画が本作の後に存在しますが、本作とは関係ありません。紛らわしいので一応記しておきます。」平野