奥渋谷から世界へ。国際的にも注目を集める映画監督の原点に迫る!
竹馬靖具『蜃気楼の舟』×深田晃司『さようなら』公開記念上映&映画の現実と未来、更には映画取り巻くお金事情も語る!
竹馬靖具監督と深田晃司監督は、共にデビュー作がアップリンクで劇場公開されており、彼らが新しい作品を作るなかで原点となった映画を、両監督トーク付きでダブル上映します。
上映作品は、ひきこもりの青年を描き、異例の大ヒットを巻き起こした竹馬監督の前作『今、僕は』と、バルザック『人間喜劇』を原作にした、深田監督監督のアニメ作品『ざくろ屋敷』の二作品。竹馬靖具は新作『蜃気楼の舟』が、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でのワールドプレミアを迎え、11月末から開催されるシンガポール国際映画祭への出品も決定し、いよいよ来年1月に国内初公開。一方、深田晃司監督の映画『さようなら』は、先月の東京国際映画祭のコンペティションでワールドプレミアされ、今月末より全国ロードショーです。ともに国際映画祭からの評価が高く、世界の映画界に対峙してきた二人の監督が、映画の現実と未来を話す。
竹馬監督は新作の劇場公開に向け、体験型クラウドファンディングを実施しており、深田監督は助成金や寄付などさまざまな問題に取り組んでいる。そんな両監督による、映画の「金」についての話にも注目!当日は、クラウドファンディングを会場で体験する試みも実施。その場で『蜃気楼の舟』に支援参加することもできます。
田中泯出演!東欧最大の映画祭正式出品『蜃気楼の舟』を体験として届けるプロジェクト
【タイムテーブル】
『ざくろ屋敷』18:30〜19:18
『今、僕は』19:25〜20:52
上映後トーク
登壇者:竹馬靖具、深田晃司、スペシャルゲストが登壇する可能性あり。
監督プロフィール
深田 晃司
1980年生まれ、東京都出身。映画美学校監督コース修了後、2005年、劇団青年団に演出部として入団。2006年発表の中編『ざくろ屋敷』にてパリ第3回KINOTYO映画祭ソレイユドール新人賞を受賞。2008年『東京人間喜劇』がローマ国際映画祭、パリシネマ国際映画祭選出。大阪シネドライブ大賞受賞。2010年『歓待』にて東京国際映画祭日本映画「ある視点」部門作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞(NETPAC賞)を受賞。2013年には『ほとりの朔子』がナント三大陸映画祭グランプリ&若い審査員賞をダブル受賞。タリンブラックナイト国際映画祭監督賞受賞。最新作『さようなら』が公開待機中。2012年よりNPO法人独立映画鍋に参加。「多様な映画のために」http://eiganabe.net/diversity
竹馬 靖具
1983年 栃木県足利市生まれ。役者としての活動を経て、2009年、自身が監督・脚本・主演を務めた映画『今、僕は』を発表。国内外の映画祭で好評を得て、8週間のロングラン上映を記録。 2011年、脚本で参加した真利子哲也監督『NINIFUNI』は、テアトル新宿で劇場公開後、第64回ロカルノ国際映画祭に招待上映される。『蜃気楼の舟』が長編2作目の監督作品。第50回カルロヴィヴァリ国際映画祭フォーラムオブインディペンデントコンペティション正式出品。第26回シンガポール国際映画祭正式出品。
【上映作品】
『ざくろ屋敷』
バルザック『人間喜劇』を原作にしたアニメ作品。19世紀フランス、ロワール河近くのざくろ屋敷に、ある日、夫妻とふたりの男の子が引っ越してきた。美しい夫人について街の人々は噂をするが謎に包まれたまま。しかし、夫人は病を伏せっており、死が迫っていたのであった。ロワール河近くでの平穏な生活と死に近づいていく母親の様子が対照的に描かれている。本作は独特の手法を取られており、絵画がアニメーションしていく“画ニメ”を採用。アニメーションとも映画とも異なる、新しい手法も見所のひとつである。
脚本/監督:深田晃司 原作:オノレ・ド・バルザック 文芸監修:鹿島茂
絵画/美術:深澤研 音楽/演奏:上尾直毅
キャスト:志賀廣太郎 ひらたよーこ 堀夏子 山口ゆかり
制作:アトムエックス、ウィズ 製作:東映アニメーション
『今、僕は』
母親と二人で暮らす20歳のひきこもり、悟。テレビゲームと漫画雑誌、ジャンクフードと寝ること意外、すべてを拒否していある朝、悟の前に母親の友人である藤澤が現れ、半ば強引に彼を仕事場へ連れて行く。美しい自然の中に建つワイナリー。だがそこでは悟の社会的能力の欠落が痛々しいほど明白になる。悟を救おうとする藤澤の必死の努力や、仕事を続けていくことの現実、予期せぬ悲劇が、徐々に悟を狂気へと押しやっていく。
監督/脚本/編集/プロデュース:竹馬 靖具 撮影/編集:宗田 英立大
アシスタントプロデューサー:橋本 大典 助監督:留畑 龍也
録音:安田 雄大 スチール:小林 純一
製作・配給:chiyuw 宣伝協力:アドウェイズ・ピクチャーズ 宮下 昇 佐々木 誠
主題歌:新居 昭乃「囁く菫」
出演:竹馬 靖具 藤沢 よしはる 弁 志賀 正人
(2007/87分/DV/color)
【新作紹介】
『蜃気楼の舟』
東欧最大の映画祭に正式出品!前作『今、僕は』が国内外からの 高い評価を得た竹馬靖具監督と各界著名人による、ホームレスまでも金に換える「豊かな国」日本の生の劣化に抗う力作が完成! 第50回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭・第26回シンガポール国際映画祭正式出品。世界的なダンサーの田中泯、テーマ曲「hwit」(坂本龍一『out of noise』より)、黒澤明はじめ往年の巨匠たちに愛された名優・三谷昇、新国立劇場バレエ団プリンシパル・小野絢子など各界を代表する面々とともに竹馬靖具監督が放つ力強い傑作。東京からホームレスの老人達を連れ去り、小屋に詰め込み、世話をする代わりに、その生活保護費をピンハネすることを生業にしている若者達を 「囲い屋」と呼ぶ。母を亡くし、父に捨てられた過去を持つ主人公の男は、友人に誘われたことがきっかけで、囲い屋で働いていた。ある日、それまでモノのように扱ってきたホームレスのひとりに、自らの父を発見する。男は導かれるように、浮浪者となった父を乗せ車を走
らせる。現実と異世界を揺れ動くドライブの中で訪れた廃墟には、母親の幻影がさまよっていた。 そして、並行して描かれる、現実と幻想の狭間を航海する一艘の舟の意味するものとは…
監督・脚本:竹馬 靖具 撮影:佐々木 靖之
照明:關根 靖享 助監督:池田 健太
編集:山崎 梓、竹馬 靖具 録音:上條 慎太郎
整音:鈴木 昭彦 効果:堀 修生 スタイリスト:碓井 章訓 ヘアメイク:寺島 和弥
プロデューサー:竹馬 靖具、汐田 海平
テーマ曲「hwit」(坂本龍一『out of noise』より)
音楽:中西俊博 製作:chiyuwfilm
出演:小水 たいが、田中 泯、足立 智充、小野 絢子、竹厚 綾、川瀬 陽太、大久保 鷹、中西 俊博、北見 敏之、三谷 昇 他
配給:アップリンク
(2015/99 分/1:1.85/カラー&モノクロ/5.1ch/DCP)
●映画『蜃気楼の舟』公式WEBサイト
●田中泯出演!東欧最大の映画祭正式出品『蜃気楼の舟』を体験として届けるプロジェクト
『さようなら』
劇団・青年団を主宰し、日本を代表する劇作家・平田オリザとロボット研究の世界的
な第一人者である石黒浩( 大阪大学教授・ATR 石黒浩特別研究所客員所長 )が、共同で進める、人間とアンドロイドが舞台上で共演する画期的な演劇プロジェクト。その完成度の高さに国内外に衝撃を与えた記念碑的作品「さようなら」を『歓待』(10)で、東京国際映画祭日本映画「ある視点」部門作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞、『ほとりの朔子』(13)でナント三大陸映画祭グランプリ&ヤング審査員賞をダブル受賞、タリン・ブラックナイト映画祭で最優秀監督賞を受賞し海外から注目を集める気鋭の映画作家・深田晃司監督が映画化に挑戦した。映画の中心となるアンドロイド・レオナ役を演じるのは、石黒氏が中心となり大阪大学で開発された本物のアンドロイド、“ジェミノイド F”。バラエティー番組「マツコとマツコ」にも石黒浩が手掛けたマツコ・デラックスのアンドロイド“マツコロイド”が出演、そのリアルな存在は広く知られるようになった。主人公・ターニャには同舞台でも同じ役を演じているブライアリー・ロング、そして新井浩文、村上虹郎などが脇を固める。死を目前にしたターニャにアンドロイドであるレオナが谷川俊太郎、アルチュール・ランボオ、カール・ブッセ、若山牧水などの詩を淡々と読み続けるその静謐な時間は、人間にとって、アンドロイドにとって、“生”とは、そして“死”とは― 鋭く問いかける。
脚本・監督:深田晃司 原作:平田オリザ アンドロイドアドバイザー:石黒浩
出演者: ブライアリー・ロング、新井浩文、ジェミノイド F、村田牧子、村上虹郎、木引優子、ジェローム・キルシャー(特別出演)、イレーヌ・ジャコブ(特別出演)
●映画『さようなら』公式サイト