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世界が注目する鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ、帰る『エレナの惑い』『ヴェラの祈り』 上映 + トーク スペシャルイベント

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2003年『父、帰る』で鮮烈の長編デビューを飾ったロシアの鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ。約10年間、発表される作品は世界中で絶賛されつつも日本公開は見送られてきたが、2014年に『エレナの惑い』 『ヴェラの祈り』、そして今年に最新作『裁かれるは善人のみ』がついに公開。今、世界が最も注目するアンドレイ・ズビャギンツェフの圧倒的映像世界をご堪能ください。

11月18日(水)『ヴェラの祈り』
12月2日(水)『エレナの惑い』

ズビャギンツェフ作品を語るトークショー開催
ゲスト:沼野充義(ロシア文学者)/金子遊(映像作家)



『ヴェラの祈り』THE BANISHMENT

カンヌ国際映画祭主演男優賞受賞(コンスタンチン・ラヴロネンコ)
モスクワ国際映画祭 グランプリ受賞 
ザグレブ国際映画祭 ゴールデン・プラム賞受賞
ウラジオストク国際映画祭 ユル・ブリンナー賞受賞

「赤ちゃんができたの。でもあなたの子じゃない」
妻の思いがけない告白に夫は心乱され、穏やかな夏は暗転していく
抑制できない心の葛藤を静かに紡いでいく現代の「黙示録」

夏を過ごすために、亡き父が遺した田舎の家を訪れたある家族。ある夜、妻のヴェラは夫のアレックスに告白をする。「赤ちゃんができた。でもあなたの子じゃない」と。
美しい景色の中で流れていた静かな家族の時間は、ヴェラのこの告白で暗転していく。嫉妬と怒りで心を乱されるアレックス。彼はヴェラに赤ん坊を堕ろそうと提案する。しかし、この選択が思わぬ悲劇を引き起こしてしまう・・・。
米作家ウィリアム・サロヤンの小説をアンドリュー・ワイエスの絵画からインスパイアされた壮大なビジュアルで映画化。ふと心に隙間ができ、それを隠しきれなくなったとき、ひとりの人間が見つめるのはいったい何か。心の内側に徹底的に迫った胸を抉る人間ドラマの傑作。

STAFF
原作:ウィリアム・サロヤン『どこかで笑っている(The Laughing Matter)』
脚本:アルチョム・メルクミヤン/アンドレイ・ズビャギンツェフ/オレグ・ネギン
撮影:ミハイル・クリチマン
楽曲:アルヴォ・ペルト/ヨハン・セバスティアン・バッハ ほか
CAST
コンスタンチン・ラヴロネンコ(アレックス)
マリア・ボネヴィー(ヴェラ)
アレクサンドル・バルエフ(マルク)
2007年 ロシア作品 157min. カラー シネマスコープ
©2007 REN-Film




エレナの惑い ELENA

カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 審査員特別賞受賞
モスクワ国際映画祭 最優秀監督賞受賞 
ダーバン国際映画祭 最優秀監督賞受賞
ヘント国際映画祭 最優秀作品賞受賞 
ヨーロッパ映画賞 最優秀女優賞ノミネート  
アジア太平洋映画祭 最優秀監督賞 / 最優秀女優賞

「明日、遺言を作成する」
死期を察した夫のその一言が、妻を善悪すら存在しない地へと掻き立てていく
大都市モスクワの情景に“魂の不在”を浮かび上がらせる傑作サスペンス

モスクワ、冬。初老の資産家と再婚した元看護師のエレナは高級マンションで、一見裕福で何不自由のない生活を送っている。彼女は前の結婚でもうけた働く気のない息子家族の生活費を工面している。しかしそんな日常は、夫の急病により一変する。
「明日、遺言を作成する。」――。死期を悟った夫のその言葉と共に、彼女の「罪」の境界線がゆらいでいく。そして、彼女がとった行動とは・・・。
今なお男性優位主義のロシアで、妻として、母として、何より女としてもがく主人公の姿を、スタイリッシュなカメラワークと綿密に計算された色彩設計が生み出す静謐な画面に浮かび上がらせる。魂とモラルを失いつつある現代の闇を、鋭く突きつける。

STAFF
脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ/オレグ・ネギン
撮影:ミハイル・クリチマン
編集:アンナ・マス
音楽:フィリップ・グラス
CAST
ナジェジダ・マルキナ(エレナ)
アンドレイ・スミルノフ(ウラジミル)
エレナ・リャドワ(カテリナ)
2011年 ロシア作品 110min. カラー シネマスコープ
© Pyramide 2012 – photos © NON-STOP PRODUCTIONS – IMP. LEVILLAIN RCS CRÈTEIL B 322 482 710

日本語字幕:進藤照光/浜本裕樹
配給:IVC