文筆家の五所純子と発電ポールダンサーのメガネが挑むドラマのライブ・パフォーマンス。
発電時のみ明かりが灯る食卓で繰り広げられる家族ゲームの断片集。
カーテンの向こう側に広がる第三のパラレルワールドの主人公は父、山田一郎。
「ボーイ・ミーツ・ボーイ」
既存のポールダンスの枠からはみ出したオルタナティブ・ポールダンサー。性の対象となり得るポールダンスというジャンルにおいて、メガネという芸名、自作の異色なコスチューム…個人の情報を極力排除したその姿で、観る者の妄想を掻き立てイマジネーションと身体を結びつけるアグレッシブかつセクシーなパフォーマンスを行う。 また、2009年に発電ポールマシーンを製作、ダンスでエネルギーを作り音と光をD.I.Yで操る「Energy of dance」など、一線を画す表現方法でポールダンスを発表している。
第15回岡本太郎現代芸術賞特別賞受賞
愛知サウンドパフォーマンス道場オーディエンス賞受賞
文筆家。エッセイと批評と創作のあいだをぬうような言語で雑誌・書籍に寄稿多数。『スカトロジー・フルーツ』(天然文庫)、『ゼロ年代の音楽 ビッチフォーク編』(河出書房新社)など。
「ドラマ」は、文筆家の五所純子と発電ポールダンサーのメガネが仲間たちと共に制作するライブ・パフォーマンス作品です。家族をテーマとした、言葉とフィジカルの交差点のような「ドラマ」は、2013年より年に1回のペースでUPLINKで上演されており、今回が三度目となります。
とはいえ「ドラマ」「ドラマⅡ」「ドラマⅢ」は同じストーリーを共有する“続き物”ではありません。作品の舞台は全て父親、母親、息子の三人家族である“山田家”の食卓ですが、各作品の中での山田家はそれぞれ異なる過去を持ち、それぞれ異なる現実に直面しています。
「ドラマ」のステージと客席はカーテンで隔たれています。テキストを読む五所純子によってカーテンが開かれ、メガネの発電ポールダンスがステージ上の食卓に明かりを灯した時にのみ、山田家の人びとのドラマが進行します。
「ドラマⅢ」では父親にスポットライトが当たります。元歌手という経歴を持つ会社員、山田一郎の物語です。この父親を演じるのは実際に会社員である山田一郎。母親役は空族の映画『サウダーヂ』で主人公・精司の妻を演じた女優の工藤千枝。そして息子役は近年DJとしての活躍も目覚ましいダンサーのケンジル・ビエンです。作品中で使用される映像を制作するのはAV監督の汚丸、音楽はmacadamia pro.とDJのGinjiが担当します。ムードコーラス研究家の秘密博士の役どころは…秘密です。