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映画友達上映会 VOL.3 夢のような映画 小森はるか×西山朱子

詳細 DETAIL

映画が夢に似ているのは、映画にも夢にも人の無意識の願望や不安が色濃く現れるからだろうか。夢でしか感じたことのないような感情や運動の感覚が、映画によって再現されることもある。また、無意識に潜んでいた感覚と現実の中で対峙することを、映画は促すこともある。

今回上映する3本が描いているのは見知らぬ人たちが見知らぬ場所で行なう、たぶん誰もしたことがないような営みだが、私たちの心の底にある寂しさ、不安、戦慄、官能、躍動、哀しみ、懐かしさが、不可思議な異世界の光景とともに展開する。この異世界は物語の中にしか存在しないかもしれない。だが、遠くどこかで出会った夢のような、或いはものすごく身近な現実の中にある、生々しさがここにある。


【タイムスケジュール】

・開場 18:30~
・『oldmaid』18:45~18:58
・『the place named』19:00~19:36
・『振袖俠女』19:37~20:32
・トーク 20:40~


【上映作品】

『oldmaid』(2009年/13分/16mm→DV)

男が一人消えれば、また新たな男が補充されるのを繰り返す集団。リーダーである少女はこの集団を捨て弟と一緒に暮らすことを望んでいるが、叔母が邪魔をし果たせない。そんな折り、ある男によって全てが変わり始める。

監督・脚本:小森はるか
スタッフ:青木善三郎、浅井克友、大森瑞生、神谷智史、後藤一樹、齋藤悠哉、坂上和孝、菅野慧、鳥集健志、本多夏夫、山根良太
出演:西田陽美、宮永聡、西山朱子、佐藤工介


『the place named』(2012年/36分/HDV)

戯曲『わが町』(作:ソーントン・ワイルダー)をもとに、田舎町に生きる少女の一日の生活と、『わが町』第3幕の舞台稽古をしている劇団員たちが交互に描かれる。死者たちが生きている世界について話す戯曲の言葉は田舎町の日常に重なると共に、演じている役者自身にも投影される。

監督・脚本・撮影・編集:小森はるか
録音:鈴尾啓太、菅野慧 整音:西原尚
舞台演出・脚本:原麻理子 舞台戯曲:『わが町』ソーントン・ワイルダー作、額田やえ子訳
出演:原麻理子、遠藤麻衣、栗原たづ、西山朱子、花戸祐介、深堀見帆、宮永聡


『振袖俠女』(2015年/55分/HDV)

ぬいが森で出会った娘せつは、父母の仇を追う旅の途中で亡くなり、兄の手で古木の下に埋葬された死者だった。そして、ぬいの知らぬ間に弟・省太郎とせつの間に起こったこと…。死者との恋、死と再生─、夢と現(うつつ)が反転する。

監督・編集・整音:西山朱子
脚本・撮影:西山洋市 美術:隈弥生 録音:海田晃弘、粟津慶子
出演:柿沼由起子、類家アキヒコ、坂野アンナ、岡田雄介、とちかねたくま


【監督プロフィール】

小森はるか
1989年静岡県出身。映画美学校12期フィクション初等科修了。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科卒業、同大学院修了。2012年より、大学時代からの友人である瀬尾夏美と共に岩手県陸前高田市に拠点を移す。現在は地元に住む人々や町の日常を記録し、作品制作をしている。

西山朱子
唐組、大人計画を経て98~03脚本・演出を手掛けた舞台を9本打つ。映画では沖島勲『YYK論争 永遠の“誤解”』(98)、高橋洋『ソドムの市』(04)、片桐絵梨子『不破戒』(06)、西山洋市『稲妻ルーシー』『稲妻INAZUMA』(04)、『死なば諸共』(06)、などに出演。監督作は『首切姫彼岸花釣』(12)、『マルクス四谷怪談の巻』(13)。