本国での初公開から約30年後の日本で、ついに初上映されることとなったドキュメンタリー映画『ラジウム・シティ』。作家の阿部和重氏をゲストに迎えてのトーク付き上映を開催します。(トーク終了後に上映)。
1968年 9月23日生まれ おとめ座
山形県東根市出身
日本映画学校卒業 1994年「アメリカの夜」で第37回群像新人文学賞を受賞しデビュー。その後、『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞をダブル受賞、『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞、 『ピストルズ』で第46回谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『クエーサーと13番目の柱』、『□』(しかく)『Deluxe Edition』がある。 最新作は『キャプテンサンダーボルト』(伊坂幸太郎氏との合作)。
“RADIUM CITY” DOCUMENTARY FEATURE FILM (c) 1986 BY CAROLE LANGER
舞台となるのは、アメリカ中西部のイリノイ州オタワ市。かつてラジウム・ダイヤル社の工場で多くの人々が亡くなったこの街では、 半世紀以上たってもなお、取り壊された工場の欠片が町中に散らばり、ホットスポットを生み出している。キャロル・ランガー監督は、かつてのラジウム・ガールズやその家族、そしてオタワの住民たちによる証言を記録し、一本のフィルムとして完成させた。目に見えない放射能による被害、企業や政府の隠蔽体質、恣意的に引き上げられる安全基準値、地域経済における産業と雇用の抱える困難・・・。彼らの証言によって浮き彫りにされるさまざまな問題は、現代を生きるわたしたちにとっても決して無縁のことではない。
“RADIUM CITY” DOCUMENTARY FEATURE FILM (c) 1986 BY CAROLE LANGER
本作は国内外の映画祭で高い評価を受け、米国のみならず各国のTV局で放映、アカデミー賞候補と目された。また、米国環境保護庁がオタワの除染作業にスーパーファンド法を適用するきっかけにもなった。
(1987年/アメリカ/105分/白黒・カラー/モノラル)
出演:マリー・ロシター、エディス・ルーニー、ジェーン・ルーニー、ジーン・ルーニー、ケン・リッキ、シャーロット・ネビンス、マーサ・ハーツホーン、キャロル・トーマス、ジェームス・トーマス、ウェイン・ウィスブロック、ドン・ホール、ロッキー・レイクス、ボブ・レイクス、メアリー・オズランジ、スティーブン・オズランジ、ジャニス・キーシッグ、ジョアン・キーシッグ、環境汚染と闘う市民の会
監督・プロデューサー:キャロル・ランガー
音楽:ティミー・カペロ
撮影:ルーク・サッシャー
編集:ブライアン・コトナー、キャロル・ランガー
録音:ジョン・マーフィー
配給:boid
字幕:映画美学校映像翻訳講座