若者の労働・貧困問題に取り組んでいるNPO法人POSSEでは、学生のボランティアが中心となって雑誌『POSSE』を発行しています。「ブラック企業」「就職活動」などのテーマをわかりやすく発信し、さまざまなメディアに取り上げられるなどそのクオリティも評価されています。
労働・貧困問題というと「固い」「とっつきにくい」というイメージを持っている方もいるかもしれません。そこで、『POSSE』では、多くの方に雑誌を手に取ってもらえるように、プロのアーティストにデザインをお願いし、内容だけでなくビジュアルも重視した制作に取り組んでいます。そのようなコラボレーションによって、『POSSE』は「ブラック企業」問題などをよりたくさんの人に知ってもらう際に、一つの役割を果たしてきました。
社会問題に取り組む若者のNPOと、アーティストの協働――『POSSE』の事例から、新たな可能性を探ってみませんか? トークイベントとして、『POSSE』のデザインに携わってきたデザイナーの末吉亮さん、画家の井上奈奈さんを招いて、アーティストが雑誌制作においてどのように連携してきたかを語ってもらうほか、またそうして制作された雑誌の表紙をひとつのデザイン作品として展示するギャラリー展示を同時開催します。イベントの来場者には井上奈奈さんイラストポストカードプレゼントいたします。
[ゲスト紹介]
末吉亮
1976年鹿児島県生まれ。グラフィックデザイナー。1998年武蔵野美術大学卒業。有限会社プラグイングラフィック勤務を経て、2005年にフリーランスとなりデザイン事務所図工ファイブを設立。(HP:http://www.zuko5.com/top.html)
井上奈奈
京都府生まれ。画家・アーティスト。16歳のときアメリカへ留学、美術を学ぶ。国内外での個展やアートフェアにて作品発表を続け、近年はミュージシャン・建築家など多様なクリエーターとのコラボレーションを展開している。2014年1月キーステージ21より絵本『さいごのぞう』を出版。(HP:http://nana-works.com/)
[団体紹介]
NPO法人POSSE
NPO法人POSSE(ポッセ)は労働相談、労働法教育、調査活動、政策研究・提言を若者自身の手で行うNPO法人です。2006年に設立され、現在の会員は約370人です。20代の学生ボランティアを中心に、40~50人のメンバーで運営しています。年間およそ1000件の労働相談・生活相談に対応しています。下北沢に事務所を構え、京都と仙台に支部があります。
雑誌『POSSE』
雑誌『POSSE』は「新世代のための雇用問題総合誌」というテーマのもと、労働問題、貧困問題の現状に着目したルポルタージュや現場で活動されている方へのインタビュー、研究者の方による現状分析など、幅広い論考を掲載しております。年に4回発行しており、2014年12月までに25号を発行しました。雑誌編集部では学生・社会人のボランティアが活動しており、企画立案、取材やレイアウト、原稿執筆などを幅広く行っています。