ゲスト:栗原類(モデル)、ロウ・イエ監督
聞き手:よしひろまさみち(映画ライター・編集者)
幼少の頃から映画好きで日本未公開作品までチェックするなど、モデルとして活躍する傍ら俳優業としても活躍している無類の映画好きの栗原類さんが次に注目するのはロウ・イエ監督!聞き手には日本テレビ系『スッキリ!!』の映画コーナーでおなじみのオネェ系映画ライターよしひろまさみちさんをお迎えします。“愛と孤独”という人間の本質を、雑多な都市の日常の中で描いてきたロウ・イエ監督と“孤独”を愛する栗原類さんが果たして本作をどう読み解くのか!?
■栗原類(モデル)
1994年12月6日生まれ。東京都出身。
モデルやタレント、俳優としてテレビや雑誌で幅広く活躍。
近年は『みんな!エスパーだよ!』(’13)で連続ドラマ初出演。映画『黒執事』(’14)、『僕は友達が少ない』(’14)、TVドラマ『金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件』(’14)など俳優業も精力的にこなす。
■よしひろまさみち(映画ライター・編集者)
1972年10月21日生まれ。東京都新宿区出身。情報誌、女性誌などの編集部を経てフリーに。編集者として『sweet』『otona MUSE』(共に宝島社刊)のカルチャーページを担当。『SPA!』(扶桑社刊)『oz magazine』(スターツ出版刊)『an・an』(マガジンハウス刊)など、雑誌やウェブで連載。日本テレビ系『スッキリ!!』で月一映画紹介、ニコニコ生放送『ディズニーっコすたじお』のほか、テレビ、ラジオなどにも出演
■ロウ・イエ監督
1965年劇団員の両親のもと、上海に生まれる。1985年北京電影学院映画学科監督科に入学。『ふたりの人魚』(00)は中国国内で上映を禁止されながらも、ロッテルダム映画祭、TOKYO FILMeX2000でグランプリを獲得。1989年の天安門事件にまつわる出来事を扱った『天安門、恋人たち』(06)は、2006年カンヌ国際映画祭で上映された結果、5年間の映画製作・上映禁止処分となる。禁止処分の最中に、中国では未だタブー視されている同性愛を描いた『スプリング・フィーバー』が、第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。
パリを舞台に、北京からやってきた教師と、タハール・ラヒム演じる建設工の恋愛を描いた『パリ、ただよう花』は第68回ヴェネツィア国際映画祭のヴェニス・デイズ、および第36回トロント国際映画祭ヴァンガード部門に正式出品された。
2011年に電影局の禁令が解け、中国本土に戻って撮影された本作『二重生活』は、第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式招待。ほか、第7回アジア映画大賞(アジアン・フィルム・アワード)で最優秀作品賞ほか3部門を受賞。中国現代文学の代表的作家でありロウ・イエと親しい友人でもあるピー・フェイウー(畢飛宇)の小説を原作にした『ブラインド・マッサージ(英題:Blind Massage/原題:推拿)』は第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞。日本では2014年9月にアジアフォーカス・福岡国際映画祭にて先行上映された。
とある事件。被害者の女性と数時間前まで一緒にいた男は、二つの家庭を持っていた。
予測不能の<メロドラマ・ミステリー>!!!
優しい夫と可愛い娘。夫婦で共同経営する会社も好調で、なにも不自由のない満ち足りた生活を送る女ルージエ。愛人として息子と慎ましく生活しながらも、いつかは本妻に、と願う女サンチー。流されるまま二人の女性とそれぞれの家庭を作り、二つの家庭で生活する男ヨンチャオ。
いびつながらも平穏に見えたそれぞれの日常は、ほんの少しの出来事でいとも簡単に崩壊し、その事件は起きた。「二重生活」が原因で巻き起こる事件、さらにそれが新たな事件を生み、事態は複雑になっていく。3人の男女、事件を追う刑事、そして死んだ女。それぞれの思わくと事情が何層にも重なりあい、物語はスリリングに進んで行く。
2012年カンヌ国際映画祭“ある視点部門”オープニング作品
2012年シッチェス・カタロニア国際映画祭出品作品
2013年アジアン・フィルム・アワード 作品賞・脚本賞・新人賞受賞
2013年中国映画メディア大賞 新人賞受賞
2012年台湾・金馬奨 新人賞・音楽賞受賞
可愛い娘と優しい夫。ルージエはなにひとつ不自由のない生活をしていた。現在は子育てで休業中だが、夫と共同で経営している会社もうまくいっている。
ある日、ルージエは、娘アンアンの幼稚園のクラスメイトの男児、ユイハンの母サンチーに「夫に愛人がいるみたいなの」とカフェで相談を持ちかけられる。
ルージエがカフェの窓の外に目をやると、そこには自分の夫ヨンチャオが若い女とホテルから出てきて、キスをしている姿があった。
ヨンチャオに愛人がいると知ったルージエは、ヨンチャオの追跡をはじめる。携帯メールには出会い系サイトの履歴。この間とは違う女とのデート。そしてある日ヨンチャオが向かった先、それは、さきほどの若い女の家ではなく、サンチーの家だった。
監督・脚本・プロデュース:ロウ・イエ
脚本:メイ・フォン(『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』)、ユ・ファン
プロデュース:チェン・シー
プロデューサー:ナイ・アン、クリスティナ・ラルサン
撮影:ツアン・チアン(『スプリング・フィーバー』)
美術:ポン・シャオイン(『スプリング・フィーバー』)、ドゥ・ルーシ
編集:シモン・ジャケ
音楽:ペイマン・ヤズダニアン(『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』『パリ、ただよう花』)
音響:フー・カン(『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』)
制作会社:ドリーム・オーサー・ピクチャーズ、レ・フィルム・デュ・ランドゥマン
配給・宣伝:アップリンク