ゲスト:曽我部恵一(ミュージシャン)×ロウ・イエ監督
“愛”とは人間にとって日常的な問題であり、ある種の政治的、社会的問題の1番のシンボルでもあるとロウ・イエ監督は言う。ミュージシャンと映画監督、同じ表現者として、それを歌い、描き続ける両者の考える“愛”とは一体!?兼ねてより、監督の大ファンを公言し、何か近いものを感じるという曽我部恵一さんとロウ・イエ監督との対談、遂に実現!
■曽我部恵一 プロフィール
1971年生まれ。ミュージシャン。 1994年にサニーデイ・サービスとしてデビュー。2001年よりソロ活動を開始。2004年には自身のレーベル<ROSE RECORDS>を設立。 ジャンルや形式にとらわれることなく、唯一無二な歌を追求すべく活動を続けている。 2014年10月、サニーデイ・サービスの4年ぶりのNEWアルバム『Sunny』を発売。 最新作は、12月24日リリースのソロアルバム『My Friend Keiichi』。 http://www.sokabekeiichi.com
■ロウ・イエ監督 プロフィール
1965年劇団員の両親のもと、上海に生まれる。1985年北京電影学院映画学科監督科に入学。『ふたりの人魚』(00)は中国国内で上映を禁止されながらも、ロッテルダム映画祭、TOKYO FILMeX2000でグランプリを獲得。1989年の天安門事件にまつわる出来事を扱った『天安門、恋人たち』(06)は、2006年カンヌ国際映画祭で上映された結果、5年間の映画製作・上映禁止処分となる。禁止処分の最中に、中国では未だタブー視されている同性愛を描いた『スプリング・フィーバー』が、第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。
パリを舞台に、北京からやってきた教師と、タハール・ラヒム演じる建設工の恋愛を描いた『パリ、ただよう花』は第68回ヴェネツィア国際映画祭のヴェニス・デイズ、および第36回トロント国際映画祭ヴァンガード部門に正式出品された。
2011年に電影局の禁令が解け、中国本土に戻って撮影された本作『二重生活』は、第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式招待。ほか、第7回アジア映画大賞(アジアン・フィルム・アワード)で最優秀作品賞ほか3部門を受賞。中国現代文学の代表的作家でありロウ・イエと親しい友人でもあるピー・フェイウー(畢飛宇)の小説を原作にした『ブラインド・マッサージ(英題:Blind Massage/原題:推拿)』は第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞。日本では2014年9月にアジアフォーカス・福岡国際映画祭にて先行上映された。
とある事件。被害者の女性と数時間前まで一緒にいた男は、二つの家庭を持っていた。
予測不能の<メロドラマ・ミステリー>!!!
優しい夫と可愛い娘。夫婦で共同経営する会社も好調で、なにも不自由のない満ち足りた生活を送る女ルージエ。愛人として息子と慎ましく生活しながらも、いつかは本妻に、と願う女サンチー。流されるまま二人の女性とそれぞれの家庭を作り、二つの家庭で生活する男ヨンチャオ。
いびつながらも平穏に見えたそれぞれの日常は、ほんの少しの出来事でいとも簡単に崩壊し、その事件は起きた。「二重生活」が原因で巻き起こる事件、さらにそれが新たな事件を生み、事態は複雑になっていく。3人の男女、事件を追う刑事、そして死んだ女。それぞれの思わくと事情が何層にも重なりあい、物語はスリリングに進んで行く。
2012年カンヌ国際映画祭“ある視点部門”オープニング作品
2012年シッチェス・カタロニア国際映画祭出品作品
2013年アジアン・フィルム・アワード 作品賞・脚本賞・新人賞受賞
2013年中国映画メディア大賞 新人賞受賞
2012年台湾・金馬奨 新人賞・音楽賞受賞
可愛い娘と優しい夫。ルージエはなにひとつ不自由のない生活をしていた。現在は子育てで休業中だが、夫と共同で経営している会社もうまくいっている。
ある日、ルージエは、娘アンアンの幼稚園のクラスメイトの男児、ユイハンの母サンチーに「夫に愛人がいるみたいなの」とカフェで相談を持ちかけられる。
ルージエがカフェの窓の外に目をやると、そこには自分の夫ヨンチャオが若い女とホテルから出てきて、キスをしている姿があった。
ヨンチャオに愛人がいると知ったルージエは、ヨンチャオの追跡をはじめる。携帯メールには出会い系サイトの履歴。この間とは違う女とのデート。そしてある日ヨンチャオが向かった先、それは、さきほどの若い女の家ではなく、サンチーの家だった。
監督・脚本・プロデュース:ロウ・イエ
脚本:メイ・フォン(『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』)、ユ・ファン
プロデュース:チェン・シー
プロデューサー:ナイ・アン、クリスティナ・ラルサン
撮影:ツアン・チアン(『スプリング・フィーバー』)
美術:ポン・シャオイン(『スプリング・フィーバー』)、ドゥ・ルーシ
編集:シモン・ジャケ
音楽:ペイマン・ヤズダニアン(『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』『パリ、ただよう花』)
音響:フー・カン(『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』)
制作会社:ドリーム・オーサー・ピクチャーズ、レ・フィルム・デュ・ランドゥマン
配給・宣伝:アップリンク