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ボスニア紛争終結20年 傑作戦争映画『ノー・マンズ・ランド』上映&トークショー

詳細 DETAIL

2001年カンヌ国際映画祭で脚本賞、アカデミー外国語映画賞を受賞。
全世界から称賛の嵐を受けたダニスダノヴィッチ監督の傑作戦争映画。
一夜限りのアンコール上映!

2015年はボスニア紛争終結20年

上映終了後は「平和」をテーマにトークショー開催!

<トークゲスト>
・金子遊(映像作家・批評家)
・千田善(通訳・翻訳家)
・他ゲスト近日発表



ノー・マンズ・ランド(フランス、イタリア、ベルギー、イギリス、スロヴェニア/2001年/カラー/ドルビーデジタル/シネマスコープ/98分)

監督・脚本・音楽:ダニス・タノヴィッチ、撮影:ウォルター・ヴァン・デン・エンデ、編集:フランチェスカ・カルヴェリ
出演:ブランコ・ジェリッチ、レネ・ビトラヤツ



『ノー・マンズ・ランド』が意図するのは、責任追及ではない。悪いことをしたのが誰なのかを詩的する映画じゃないんだ。僕が言いたいのは、あらゆる戦争に対して、異議を唱えるということなんだ。あらゆる暴力に対する僕の意志表示なんだよ。
ダニス・タノヴィッチ



ダニス・タノヴィッチ
1969年、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ出身。サラエヴォのフィルム・アカデミーで作品を製作後、92年のボスニア紛争勃発と同時に、ボスニア軍に参加。「ボスニア軍フィルム・アーカイヴ」を立ち上げ、サラエヴォの最前線で300時間以上に渡る戦地の戦争映像を撮影した。この時の映像は、ルポルタージュやニュース映像として、世界中で放映されている。資料映像と同時にドキュメンタリー作品を監督し、数多くの賞を受賞している。94年にサラエヴォを離れ、ベルギーに渡って、映画を学ぶ。本作『ノー・マンズ・ランド』で長編監督デビュー。「戦争とは精神状態です。銃弾の音や、頭上を通るヘリコプターのプロペラではないのです。戦争は、それを生きる人間の心の中にあり、戦いが終わった後も消し去る事ができません」と語る通り、戦争の愚かさを描ききり、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞するなど見事なデビューを飾った。
2002年には、アメリカ同時多発テロをテーマにしたオムニバス映画『11’09”01/セプテンバー11』のボスニア編を担当した。2005年には、ポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキ監督が遺したダンテの『神曲』をモチーフにした『天国編』『地獄編』『煉獄編』三部作のうちの『地獄編』を『美しき運命の傷痕』として映画化。
一時期、パリで暮らしていたが現在は家族と共にサラエヴォに戻り、舞台芸術アカデミーで教授職に就いている。2011年にサラエヴォ大学から名誉博士号を授与されている。
2013年の『鉄くず拾いの物語』でベルリン国際映画祭銀熊賞と主演男優賞を受賞した。
金子遊(かねこ・ゆう)



映像作家・批評家。劇場公開作に、NATO空爆後のセルビアで取材したドキュメンタリー映画『ベオグラード1999』、『ムネオイズム
愛と狂騒の13日間』がある。ドキュメンタリーマガジン「neoneo」編集委員。12月に「neoneo」4号(特集テレビ・ドキュメンタリーの60年、生誕130年ロバート・フラハティ)発売予定。
11月に共編著『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社)、12月に単著『辺境のフォークロア』(河出書房新社)刊行予定。
千田善(ちだ ぜん)
1958年、岩手県出身。東京大学教育学部卒業。国際政治、民族紛争、異文化コミュニケーション、サッカーなどを専門とする。旧ユーゴスラビア地域をはじめパレスチナ紛争、ギリシャ・トルコ紛争などを取材するほか、通訳・翻訳家としても活躍。一橋大学、中央大学での非常勤講師を経て、2006年よりサッカー日本代表監督イビチャ・オシムの通訳を務めた。2012年から立教大学にてスポーツジャーナリズムの講師を務めている。
主な著書に『ユーゴ紛争-多民族・モザイク国家の悲劇』(1993年 講談社刊)、『なぜ戦争は終わらないか-ユーゴ問題で民族・紛争・国際政治を考える』(2002年 みすず書房刊)、『オシムの戦術』(2010年 中央公論新社刊)などがある。