舞台は西暦2045年、近未来のニッポン。日本国憲法は改正されて自衛隊は国防軍となり、徴兵制が復活して政府は子どもへの愛国教育を徹底していた。そこへ朝鮮半島で紛争が勃発、アメリカに要請された日本は軍事介入に踏みきる。アメリカと中国の対立が第3次世界大戦を引きおこして、日本列島は主戦場となり、国内のほとんどの都市が壊滅状態になる…。
ニッポンはいつどこで道を踏み外してしまったのか。生き残った人物は、発電所跡地の「ゾーン」で旧型コンピュータを使い、映像ドキュメントの完成を目ざす。その人物が入手したのは1冊の写真集、知識人へのインタビュー映像、古い16ミリのニュース映画。それらを編集して、太平洋戦争の敗戦から第3次大戦までの100年に何が起きたのかを再構成する。
太平洋戦争の敗戦後のリベラル派の台頭、安保闘争・学生運動の時代を経て、連合赤軍事件による自壊現象へ。そして、三島事件の数十年後に台頭した憲法改正派と軍国主義の足おと。戦後のナショナリズムの変遷が、ニッポンの知識人たちの議論によって編まれる。再び「戦争ができる国」になっていくメカニズムが、社会システムと日本人の精神構造から浮びあがる「偽史」ドキュメンタリー。93歳の写真家・福島菊次郎のフォト作品を大々的にフィーチャーしている。
http://www.youtube.com/watch?v=klAStF_Sd-I
出演:ラサ、宮台真司(社会学者)、岸田秀(精神分析学者)、康芳夫(暗黒プロデューサー)、
北村肇(「週刊金曜日」発行人)、正津勉(詩人)、柏原寛司(脚本家)、かわなかのぶひろ(映像作家)、鹿島徹(哲学者)、矢部史郎(思想家)、野中章弘(アジアプレス代表)、
木村三浩(一水会代表)、鈴木邦男(作家)ほか
写真:福島菊次郎
監督&編集:金子遊
撮影:岩井秀世
琵琶&音楽:藤野智香
タイトル映像:小川梨乃
劇中アニメーション:『無関心なぼくたちのこれからのお話』武蔵野美術大学学生グループ
製作:幻視社
※上映後、豪華ゲストによるトークイベントあり
トーク出演:福島みずほ(社民党・参議院議員)、金子遊(本作監督)
敗戦から今年で69年。昨年成立した秘密保護法、そして今年の集団的自衛権の閣議決定を受けて、日本が「戦争のできる国」に変貌しようとするなか、かつてないほど平和憲法と戦争反対への関心が高まっている。映画の上映後、社民党の参議院議員・福島みずほ氏をお招きして、護憲と戦争反対の立場からトークイベントを開催する。ふるってご参加ください!