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連続講義「怪奇映画天国アジア」第5回「タイ人が本当に怖いと思うのは、どのような映画か」

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映画研究者の四方田犬彦氏が、レアものの抜粋上映を交えつつ、バンコクとジャカルタに長期滞在した成果を披露していく連続講義です。第5回は、現代タイ映画のニューウェーヴの旗手、ウィシット・サーサナティヤン監督の国内未公開作「見えざる者」を上映します。

東南アジアには怪奇映画が絶大な人気を博している国が存在する。とりわけタイ、インドネシアでは、それは映画産業の根幹を占めている。複雑な宗教的背景と豊かな民間伝承をもち、ハリウッドとJホラーの影響を受けて発展したこのジャンルからは、復讐の女幽霊、よみがえる死体、怨恨の双生児が、次々と現われてくる。太陽は熱く、料理は舌を焼くほどに辛く、そして映画は世界のどこにもまして恐ろしい。これがインドシナ半島の3原則だ。
四方田犬彦(映画研究者)

【タイムテーブル】
16:30-参考上映

『見えざる者』(The Unseeable/2006/94分)※デジタル上映、日本語字幕付き
監督:ウィシット・サーサナティヤン

タイ人と日本人とは、映画の怖がり方が違うらしい。日本人が怖ろしくて目を伏せる映画を、タイ人は笑いながら見ている。ではタイ人が本当に怖いと思うのは、どのような映画だろうか。それがこの『見えざる者』だ。ヒチコックの『レベッカ』が、もし南国で怪奇映画としてリメイクされたとしたら?監督のウィシットは、90年代末に『怪盗ブラックタイガー』で鈴木清順ばりの原色無国籍アクションでデビュー。現代タイのニューウェーヴを代表する一人である。(四方田犬彦)

18:10-講義
「タイ人が本当に怖いと思うのは、どのような映画か」
講師:四方田犬彦(映画研究者)

四方田犬彦著/怪奇映画天国アジア

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主催:アテネ・フランセ文化センター、アップリンク
協力:白水社