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「見えない波」ツアー報告会――フランスとイギリスで語った震災後の日本(出演:古川日出男、管啓次郎、石田瑞穂)

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2011年3月11日を境に震災に真正面から向かいつつ執筆活動をしている古川日出男が、2013年春、彼の作品のフランス語版を出版している出版社から、2014年に南仏アルルに滞在して執筆活動を行うというプロジェクトのオファーを受けました。その滞在には現地での講演活動も含まれていました。そこで、古川は、2人の詩人・管啓次郎、石田瑞穂を誘い、東日本大震災から3年を迎える2014年2月14日~3月8日にかけ、フランスとイギリスの5都市で、観客と一緒に、震災、日本文学、そして我々の未来について考えるイベントを企画。メディアというフィルターを通さず、作家や詩人たちが直接世界へ語りかけるまったく新しいプロジェクト、「見えない波」を実施します。

3月9日は空港からUPLINKに直行。このプロジェクトの様子や海外の人びとからの反響を紹介し、今後の展望を語ります。

★プロジェクト詳細についてはこちらから
http://invisiblewaves.jimdo.com/

出演者プロフィール

古川日出男(ふるかわ・ひでお) 

撮影:朝岡英輔

小説家。1998年に『13』で小説家デビュー。2001年、『アラビアの夜の種族』で日本推理作家協会賞と日本SF大賞という二つのジャンル小説の文学賞を史上初のダブル受賞(2002年)。2006年『LOVE』で三島由紀夫賞を受賞。2008年にはメガノベル『聖家族』を刊行する。文学の音声化にも取り組み、2007年に文芸誌「新潮」において日本の商業文芸誌では初となる朗読CD『詩聖/詩声 日本近現代名詩選』を、2010年に「早稲田文学」に朗読DVD『聖家族 voice edition』をそれぞれ特別付録として発表。著書の翻訳作品も多数あり、代表作『ベルカ、吠えないのか?』は仏訳(Éditions Philippe Picquier)、英訳(VIZ media)、伊訳(Sellerio)のほか、韓国語にも訳され、ロシア語の刊行も準備されている。2013年5月に『南無ロックンロール二十一部経』(河出書房新社)を刊行、最新刊は戯曲『冬眠する熊に添い寝してごらん』(新潮社、上演版演出・蜷川幸雄)。


管啓次郎(すが・けいじろう) 

詩人、比較文学者、明治大学理工学部教授。日本学術振興会学術システム研究センター専門研究員。主な著書に『コロンブスの犬』『狼が連れだって走る月』(いずれも河出文庫)、『オムニフォン』(岩波書店)、『斜線の旅』(インスクリプト、読売文学賞)、『ストレンジオグラフィ』(左右社)、小池桂一との共著『野生哲学』(講談社現代新書)がある。『時制論』(詩集、左右社)など。エドゥアール・グリッサン『< 関係>の詩学』(インスクリプト)、ル・クレジオ『歌の祭り』(岩波書店)、サン=テグジュペリ『星の王子さま』(角川文庫)、『チェルノブイリ 家族の帰る場所』(朝日出版社)など翻訳書も多数。11年、野崎歓とともに『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)を編集。詩人としての評価も国際的に高まっており、2010年1月にはスタンフォード大学、2012年8月にはスロヴェニア、2013年9月にはセルビア各地で招待朗読を行っている。


石田瑞穂(いしだ・みずほ)

詩人。第37回現代詩手帖賞(1999年)を受賞。ポイエーシス(詩的創造)をキーワードに、多ジャンルとコラボする詩誌『(f)orpoets』を創刊。詩とアートの番組「Edge〜未来を、さがす。」(スカイパーフェクTV)に出演後、「Edge in Cafe」イベントディレクターとして活動。2006年に思潮社〈新しい詩人シリーズ〉より、第1詩集『片鱗篇』(かけらへん)を上梓。2012年第2詩集『まどろみの島』(思潮社)を刊行し、詩壇の芥川賞といわれる第63回H氏賞(2013年)を受賞。真言宗智山派僧侶。