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粟津慶子×西山朱子『映画友達 上映会』

詳細 DETAIL

 ここはどこなのか? いつなのか? あれはマボロシ?と追いかけたくなるような、例えばゾンビ映画が描けない親和的怪奇さをすんなり飲み込ませてしまう不思議な世界。新奇な題材と演出が生産されつつある現在の自主製作映画の潮流に乗ってるようで大いに乗ってない、ただ新しいもの欲しさに収まりきらない挑戦を経た < 映画友達> の上映会。新しくてしかも懐かしい劇映画が、出演者も含めた作り手たちの工夫によって出来上がった。

「トークライブ」では、新作を完成したての沖島勲監督(初回)、新作を劇場公開したての常本琢招監督(二回目)と、< 映画友達>ふたりが 「なんでこんな劇映画を作ったのか~そもそもなんで映画を作るのか」という切実なテーマで映画作りの喜びと悲しみを作り手の実感を込めて語りつつ、言葉にならない面白さを生む挑戦を言葉にできたら、と願う。

【初回】 2013.4.20(土)
19:00 『首切姫彼岸花釣(くびきりひめひがんのはなつり)<初上映>
19:45 『収穫
20:15 『マルクス四谷怪談の巻
21:10 沖島勲トーク!ライブ!

[トークゲストプロフィール]
沖島勲: 映画監督・脚本家。他、TV アニメ『まんが日本昔ばなし』のメインシナリオライターとして約 1230 本の脚本を担当。最新監督作『WHO IS THAT MAN!? あの男は誰だ!?』、完成したばかり。

【二回目】2013.5.18(土)
19:00 『蜘蛛の国の女王<5月東京初上映>
20:00 『収穫
20:30 『マルクス四谷怪談の巻
21:25 常本琢招トーク!ライブ!

[トークゲストプロフィール]
常本琢招:映画監督。最新作『蒼白者 A Pale Woman』、オーディトリウムにて5月公開予定。

上映作品

『首切姫彼岸花釣(くびきりひめひがんのはなつり)』(2010/38分/MiniDV/スタンダード)【初回のみ上映】
監督:西山朱子
脚本:西山洋市・西山朱子
撮影:西山洋市
出演:高橋美帆 前田友未 岡部尚 高橋洋
関力男 とちかねたくま 布川恵太


ここでは今もまだ封建時代が続いている。 森の領主は臣下たちに小鳥狩りを命じる。 その最中に姿を消した領主の弟。探索を命じられた若者は山上のいつの時代とも知れぬ城址に辿り着く。 そこには異界の姫君たちが棲みついていた。女たちは領主たちとは違う価値観を持っていた。「いつまでもここに居て、あなたと話していたい気がする」。泉鏡花の「天守物語」に似ているようでずいぶん違う怪奇幻想メロドラマ。
▼予告編『首切姫彼岸花釣(くびきりひめひがんのはなつり)』


『収穫』(2009年/26分/DV/16:9)

監督・脚本:粟津慶子
撮影:小出豊
出演:麻生絵里子 波多野桃子 広瀬斗史輝 夛留見啓助
埜本佳菜美 おぞねせいこ 佐藤貢三


青春は怪奇と紙一重。危うくて怪しくてキテレツでしかもみずみずしい─ 。高校1年陸上部、松井千代の周りがざわめきだした。親友冴子の肌をあこがれの山下先輩の指がつたう…クラスメート岡崎と担任の女教師牛山がキスしている…夕暮れの校庭を伝説の先輩が奇声を上げて走りまわっている…そして体育器具室に男子陸上部の秘宝「黄金の砲丸」が転がり出た!「私、見ちゃったんです!」千代は、大混乱の青春の焦燥を二者面談で牛山にぶつける。キスをめぐるオムニバス「桃まつりpresents Kiss!」の一編として製作されたキュートで不気味な学園ラブコメディ。
▼予告編『収穫』


『マルクス四谷怪談の巻』(2012年/47分/MiniDV/スタンダード)

監督:西山朱子
脚本・撮影:西山洋市
出演:岡田雄介 西山朱子 別府裕美子 名久井茉菜
粟津慶子 とちかねたくま 布川恵太


出会うべくして出会ってしまった「四谷怪談」とマルクス兄弟… 何の事だか「?」でもオッケー。 日本一有名かつ最恐といわれる鶴屋南北の怪談を、みんなが大好きなお化けコメディとしてリノベーションしたホットなニューシネマ─ 。 ご存知おイワさんとの結婚を望んでいるが許されない浪人イエモン。下男でありながら主人の妹娘(しかも人妻)おソデに岡惚れしているハーポ直助。 折しも敵方に殺された殿様の仇討騒ぎに巻き込まれたイエモンと直助の欲望が暴走してお望みどおりに脱線する。 悪党どもの計略に、あんなにおしとやかだったおイワさんの運命やいかに! 仇討はどうする!
▼予告編『マルクス四谷怪談の巻』


『蜘蛛の国の女王』(2009年/54分/DV/16:9)【二回目のみ上映】

監督・製作・脚本:常本琢招
撮影・照明:志賀葉一
出演:久遠さやか 西山朱子 粕谷美枝
佐藤幹雄 山崎和如 山田広野(声)


気鋭の女性建築家・映子は、憧れだった先輩女性建築家・美子と再会した。 今は職もなく生きている美子を、 自分の事務所に雇ってあげる映子。 そこから、 美子の仕掛けた恐るべき罠が展開していく…。怪物のような女とヒロインの息づまる心理戦を描く。久遠さやかのクールな美貌。西山朱子の圧倒的存在感。そして核弾頭・粕谷美枝─。 映画から遠ざかり、TVの世界に行っていた常本の、7年ぶりの映画復帰第一作。 この後、『アナボウ』(2010)『蒼白者 A Pale Woman』(2012)と続く。