2009年、フランスである実験が極秘に進められていた。ラットに一生(2年間)“遺伝子組み換えトウモロコシ”を与え続けると、どのような影響が起こるのか? 長年の疑問の答えが今明かされる。分子生物学者・セラリーニ教授が行ったこの“世界的に重要な実験”はフランスをはじめ、ヨーロッパ諸国だけでなく世界中に大きな波紋を投げかけている。
そして遺伝子組み換え作物の影響と同時に描かれるのが“原発がある風景”。福島第一原発事故以降の日本。それぞれの地に住む農家がどのような影響を受けたのか。『未来の食卓』『セヴァンの地球のなおし方』で“食の重要性”を訴え続けるフランス人監督ジャン=ポール・ジョーがカメラを向ける。
“原発”と“遺伝子組み換え”という、いのちの根幹を脅かす二つのテクノロジーの意外な共通点。そして浮き彫りにされるもうひとつの真実とは?
本作の監督、ジャン=ポール・ジョーがフランスより来日します。ジャン=ポール・ジョー氏は『未来の食卓』、『セヴァンの地球のなおし方』などの作品を通して、“食の重要性”を訴え続けてきました。3月27日(水)のプレミア上映後、トークショーを開催します。遺伝子組み換え食品の実験結果が及ぼした影響や、世界第2位の原発保有国であるフランスの状況など、これからの日本にも密接に関わるテーマでお話をうかがいます。
監督:ジャン=ポール・ジョー(2012年/フランス/118分/原題:Tous Cobayes?)
配給:アップリンク
国立ルイ・リュミエール大学卒業後、1979年より監督として多くのテレビ番組の制作を行う。1984年のCanal+(フランスの大手ケーブル放送局)の設立当初より、主なスポーツ番組の制作と中継を担当し、スポーツ映像に革命をもたらす。92年には自身の制作会社J+BSéquencesを設立。『羊飼いの四季』(“Les quatre saisons du berger”)、ンの四季』(”Quatre saisons entre Marennes et Oléron”)など移りゆく四季の中で織り成される人々の暮らしを追ったドキュメンタリーを制作し、2004年自らが結腸ガンを弔ったことを機会に、「食」という生きるための必須行為を取り巻く様々な事象を振り返り、前作「未来の食卓」を製作。
2010年、環境活動家のセヴァン・スズキを追い地球環境への警鐘を鳴らした『セヴァンの
地球のなおし方』では、すでに遺伝子組み換え食品と原発の危険性を示唆していた。