2012年ファンタジア国際映画祭(カナダ・モントリオール)で、『へんげ』(大畑創監督)や『ハラがコレなんで』(石井裕也監督)とともに、大阪芸術大学生の卒業制作作品が上映された。それが、大森一樹監督が「『ダイゲー(大阪芸術大学)の園子温』どころではない、『南河内のフェリーニ』ではないか」と大絶賛したアベラヒデノブ監督の『死にたすぎるハダカ』だ。“映画『ハロルドとモード』と映画『名前のない女たち』が出会ったかのような青春映画”と紹介された本作。高校時代にいじめにあったことをきっかけに“妄想狂”になった監督自身を投影した半自伝的作品で、コメディ・ホラーや恋愛ドラマの要素もある、異色の青春映画を、東京で初めて劇場上映する。
上映後のトークショーでは、ゲストに原一男監督をお迎えし、監督、脚本、編集に加え、初の劇場長編作品で海外映画祭の舞台に立った新人監督であり、昨年の第13回TAMA NEW WAVEゲストコメンテーター男優賞を受賞し、俳優としても活躍が期待されているアベラヒデノブ監督の実態に迫る!?
■webDICE「オールモスト・フェイマス -未配給映画探訪」大森一樹監督が「南河内のフェリーニじゃないか!」と絶賛したアベラヒデノブ監督ってどんな人?
『死にたすぎるハダカ』(2012年/日本/70分)
監督・脚本・編集:アベラヒデノブ
出演:アベラヒデノブ、今中菜津美、井口由美子、アベジュンイチ、他
撮影:三木健太郎
照明:太田周平
録音・整音:黒田綾香
美術:中田敦樹
【ストーリー】
いじめられて行き場のない男子高校生の桜木ミチル。死にたくてたまらない毎日だが、死にきれない。その代わりに、段ボールで自作した“棺桶”で眠り、血糊まみれになったり、ひとり自殺ごっこを繰り返す日々。ある日、いじめグループに強いられて本屋で万引きをして捕まった時、見知らぬ女子高校生のさやかに助けられる。
▼『死にたすぎるハダカ』予告編
【ストーリー】
自宅の狭い浴槽で温泉気分を味わうのが唯一の楽しみである貧乏な俳優志望の笹倉コウスケ(23)と、友人の柿本ユウイチロウ(24)。2人は家賃月500円という破格の一軒家を見つけ、そこでルームシェアするため、引越しをする。しかしその家には、血まみれの女の霊が住み憑いていた。女の霊は、2人を呪い殺そうとするが、どうも上手くいかない。しかし、あるきっかけで、両者の視線がぶつかり、ドラマは急展開。2人は呪い殺されてしまうのか?”温泉好き”の2人にしか救えない、血まみれ女の霊の悲しすぎる過去と未練とは??笑いあり涙あり(!?)前代未聞のコメディホラー短編作品!!
▼『欲求不満おんせん』予告編
【アベラヒデノブ プロフィール】
1989年、ニューヨーク生まれ。3歳の時に帰国して以来、関西で育つ。大阪芸術大学映像学科を2012年に卒業。卒業制作の映画『死にたすぎるハダカ』が、同大学の学科賞を受賞、2012年ファンタジア国際映画祭(カナダ・モントリオール)に入賞、第5回シューレ大学国際映画祭で上映、また、福井映画祭2012でグランプリを受賞。俳優としては、昨年、第13回TAMA NEW WAVEゲストコメンテーター(篠崎誠監督、鈴木卓爾監督)男優賞を受賞(「大童貞の大冒険」二宮健監督)し、今年は『あの娘はサブカルチャーが好き』(谷口恒平監督)で主演をつとめており、MOOSIC LAB 2013で上映される予定。現在はフリーランスで映像制作を続けるほか、監督、俳優、音楽活動など、精力的に活動を展開している。