ハンディを越えて、夢に向かって挑む少年の姿が大人たちの心を揺さぶり動かしていく……。
フィリピンの大地に生きるパワフルな人間像を描くコミカル・ヒューマン・ドラマ。
世界の映画祭で高い評価を集める気鋭の監督作品、遂に日本公開が実現!
『Nono~見つけた!僕のコトバ』12月7日~20日渋谷アップリンクにて公開!
雑然とする下町の片隅で暮らす8歳の少年トトは、上唇が裂ける先天性の障害で、うまく発音することができない。(自分の名前も“トト”とうまく発音できず、“ノノ”となってしまう)シングルマザーの母親グレンダは、知り合ったばかりの男を家に連れてきてしまう寂しがり屋だが、息子への愛情は人一倍。ニューハーフも居るユニークな友人達にも相談しながら、息子の幸せな将来を願って努力している。
トトは、学校で、書いた詩を朗読している同級生の姿に感動し、自分もやってみたいと思うようになる。厳しい先生の励ましも受け、友達や周囲の大人たちに支えられながら、懸命に詩を作り、覚えて、学校のスピーチ大会に参加しようと決心するのだが…。
30代後半の若い映像作家が、元気な子どもたちを見事に扱いながら、フィリピンの現在を描き出している。実際に、唇に障害を持つ主人公は、下町に住む子ども達からオーディションで選ばれたアクシルという名前の少年――撮影前に1度手術を受けて、赤ん坊時代よりは障害が小さくなっているのだが、まだ発音が不明瞭な状態である。その障害のために、悪ガキからいじめられたり、からかわれたりしても、これに負けず、やり返す元気な少年の役を、達者に演じて観客を共感させていく…。母親役もプロの俳優ではないが、テンポの早いおしゃべりで進める親子の会話が素晴らしい。