第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞受賞
世界14カ国、20に及ぶ映画祭から絶賛された、小林啓一監督、鮮烈なデビュー作
川島いづみ、そして蓮実と薫―三者三様の女子高生のリアルなたたずまい。彼女たちが生きる心地よい怒り、やさしさとさみしさ、恋心、そして移ろいやすい時間。それらを、透き通るようなモノクロームの長まわし映像と、不満げなつぶやきやテンポよく交わされる会話、そして入念にリハーサルを重ねた丹念な演出によって浮かび上がらせる映画『ももいろそらを』。その鮮烈さは、若さとともに確かにあったかけがえのない時間を思い起こさせ、見る者の胸を疼かせるという点で、相米慎二の『台風クラブ』、岩井俊二の『花とアリス』等に連なる珠玉作、恐るべき才能の出現といえるだろう。
監督は、ミュージック・ビデオ、テレビ番組、CM等の映像演出に長年携わり、満を持して監督デビューを果たした小林啓一。「未来からみれば今はすぐに過去になる。だからこそ今をしっかり認識すべき」という思いを若い演者に託し、小林自ら手持ちカメラで彼女たちを追ったデビュー作は、第24回東京国際映画祭の日本映画・ある視点部門で見事、作品賞を受賞。その後も2012サンダンス、ロッテルダム、香港、チョンジュなど各国の国際映画祭で注目を浴び続けている。
白とグレーを基調とした眩しい映像の中、若くして冷めたヒロイン、川島いづみ役でドラマを引っぱってゆくのは、本作が映画初出演の池田愛。恋愛体質の蓮実には小篠恵奈、可憐な外見によらずしっかり者の薫役は藤原令子。また、人気落語家 桃月庵白酒が印刷屋役で登場している。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=0_S6y_xucSc
『ももいろそらを』(日本/2011年/113分/16:9/モノクロ)
監督・脚本・撮影:小林啓一
出演:池田愛、小篠恵奈、藤原令子、高山翼、桃月庵白酒
製作:michaelgion
プロデューサー:原田博志
マネージメント:宮崎紀彦
製作担当:松嶋翔
録音:日高成幸
題字:土屋浄
配給・宣伝:太秦
配給協力:コピアポア・フィルム