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「ヤッベえなあこれ。クッソ面白えわ」菊地成孔絶賛!隠れた名作『街の恋』初リリース記念上映&トークイベント2Days

詳細 DETAIL

初見であるワタシの感想を一言、しかも随分と若ぶった物言いをさせて頂くならば

「ヤッベえなあこれ。クッソ面白えわ」の一言に尽きます。

そしてこのコメントは、ワタシがフェリーニの大ファンで、特に「甘い生活」と「8 1/2」は崇拝と言って良い程に心酔している。という前提無しでも同じだったと思います。
菊地成孔(音楽家 ライナーノーツより抜粋)

多面的な男女関係を描くイタリアのオムニバス映画『街の恋』、未公開作品・初BD&DVD化リリースを記念して、解説にて絶賛コメントを寄せている音楽家で文筆家の菊地成孔をはじめ豪華ゲストをむかえての上映&トークイベントを開催!


これはフィルムによるイタリアに住む男女のライフスタイルを切り取る雑誌である


冒頭で語られるとおり、本作は様々な男女関係にスポットを当てられていく。全6話。若い男女・娼婦・自殺未遂をはかった女性へのインタビュー、ダンスホールで踊り明かす人たちのスケッチ、あでやかな街を行き交う女性たちに思わず目を奪われる男性の姿など、ドキュメンタリー方式やフィクションを交えて多面的に語られていく。

ネオレアリズモの潮流に替わるあらたな手法を模索していた若手の監督たちによる「もうひとつのリアリズム」の実験的実践の場であったという意味において、とりわけ注目に値するかもしれない。和田忠彦(イタリア文学者 ライナーノーツより抜粋)

エピソード1:『お金で買う愛』
エピソード2:『自殺未遂』
エピソード3:『3時間のパラダイス』
エピソード4:『結婚相談所』
エピソード5:『カテリーナの物語』
エピソード6:『イタリア人は見つめる』

エピソード2『自殺未遂』でメガホンをとったのはミケランジェロ・アントニオーニ。『太陽はひとりぼっち』『欲望』など男女関係の不毛さを描いたら右に出るものはいない名匠である。そしてエピソード4『結婚相談所』で監督・脚本を担当したのはフェデリコ・フェリーニ。『寄席の脚光』の続く本作が初期作品として中でも注目を集める一編である。日本では未公開作品であるが、時期は不明ながら日テレで放送されたことがある。また97年には東北新社よりVHSがリリースされ、レンタルで展開されていた。今回初DVDリリースとなる。

監督:フェデリコ・フェリーニ/ミケランジェロ・アントニオーニ/カルロ・リッツアーニ/ディーノ・リージ/フランチェスカ・マゼッリ/チェ
ザーレ・ザヴァッティーニ/アルベルト・ラトゥアーダ
■1953年■イタリア■モノクロ■イタリア語音声■105分

7日はご予約が定員に達しましたため、受付を終了させていただきました。当日は予約のキャンセル待ちでのご案内となります。当日券は受付開始時刻の【12:45】より、キャンセル待ちの仮整理券を若干数、発行いたします。キャンセルがほとんど出なかったため、事前の仮整理券の発行はなくなりました。当日券の受付は開場時間の【13:45】からです。(9/6更新)すでにご予約されたかたがいらっしゃらなかった場合のみ、ご入場いただけます。あらかじめご了承ください。8日の券はお席に余裕がありますのでこちらのご予約をおすすめいたします。


■9月7日

○トークテーマ「音楽とダンスと女」

○トークショーゲスト

菊地成孔(きくちなるよし)

ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。「一個人にその全仕事をフォローするのは不可能」と言われる程の驚異的な多作家でありながら、総ての仕事に一貫する高い実験性と大衆性、独特のエロティシズムと異形のインテリジェンスによって性別、年齢、国籍を越えた高い支持を集めつづけている、現代の東京を代表するディレッタント。2010年、世界で初めて10年間分の全仕事をUSBメモリに収録した、音楽家としての全集「闘争エチカ」を発表し、2011年には邦人としては初のインパルスレーベルとの契約を結び、DCPRG名義で「AlterWarInTokyo」をリリース。主著はエッセイ集「スペインの宇宙食」(小学館)、マイルス・デイヴィスの研究書「M/D〜マイルス・デューイ・デイヴィス3世研究(河出新書/大谷能生と共著)」等。音楽講師としては、東京大学、国立音楽大学、東京芸術大学、慶応義塾大学でも教鞭を執る(04年〜09年)。
http://www.kikuchinaruyoshi.net/


岸野雄一(きしのゆういち)

スタディスト。ワッツタワーズやヒゲの未亡人、スペース・ポンチなどのバンド、ユニットで活躍する中、レーベル”Out OneDisc”を主宰し、オオルタイチ、ウンベルティポなど多岐に渡るジャンルの音楽をリリース。また、東京藝術大学大学院にてサウンド・デザインの教鞭を執り、美学校の音楽コースではコーディネーターと講師を務め、坂本龍一監修の音楽全集『commmons:schola・映画音楽編」では浅田彰・小沼純一と共に座談会と解説に参加している。スタジオボイスやミュージックマガジン等での音楽/映画評論の執筆や、NHK-FM「日本ロック事始め一部始終」の選曲・出演、NHK教育テレビの道徳番組「時々迷々」のテーマソングの作詞・作曲・歌唱と番組全体の音楽プロデュース、黒沢清の処女作「神田川淫乱戦争」や様々な映画に俳優や音楽プロデュースとしても関わるなど、各方面のメディアにもその活動を広げている。


ヴィヴィアン佐藤(ヴィヴィアンさとう)

美術家、文筆家、ドラァグクイーン、プロモーター。ジャンルを横断していき独自の見解で「トウキョウ」と分析。自身の作品製作発表のみならず、「同時代性」をキーワードに映画や演劇、ライヴなど独自な芸術論でプロモーション活動も展開。
野宮真紀、故山口小夜子、故野田凪、古澤巌など個性派のアーティストとの仕事も多い。2012年からVANTANバンタンデザイン研究所で教鞭をもつ。
http://www.facebook.com/vivienne.sato 

■9月8日

○トークテーマ「見る男と見られる女」映画監督対談

○トークショーゲスト

冨永昌敬(とみなが・まさのり)

1975年愛媛県出身。日本大学芸術学部映画学科の卒業制作『ドルメン』が2000年オーバーハウゼン国際短編映画祭にて審査員奨励賞を受賞。続く『ビクーニャ』が02年水戸短編映像祭にてグランプリを獲得。主な監督作品は『亀虫』(03)、『シャーリー・テンプル・ジャポン part2』(05) 、『パビリオン山椒魚』(06)、『コンナオトナノオンナノコ』(07)、『シャーリーの好色人生と転落人生』(08)、『パンドラの匣』(09)、『乱暴と待機』『庭にお願い』(10)、『目を閉じてギラギラ』『アトムの足音が聞こえる』(11)など。


松江哲明

松江哲明(まつえ・てつあき)

1977年、東京都生まれ。99年、日本映画学校(現・日本映画大学)卒業制作として監督した『あんにょんキムチ』が、99年山形国際ドキュメンタリー映画祭「アジア千波万波特別賞」、「NETPAC特別賞」、平成12年度「文化庁優秀映画賞」などを受賞。その後、『カレーライスの女たち』『童貞。をプロデュース』など刺激的な作品をコンスタントに発表。2009年、女優・林由美香を追った『あんにょん由美香』で第64回毎日映画コンクール「ドキュメンタリー賞」、前野健太が吉祥寺を歌い歩く74分ワンシーンワンカットの『ライブテープ』で第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞、第10回ニッポン・コネクション「ニッポンデジタルアワード」を受賞。著書に『童貞。をプロファイル』『セルフ・ドキュメンタリー―映画監督・松江哲明ができるまで』など。
every japanese woman cooks her own curry


○聞き手

吉田アミ

吉田アミ(よしだ・あみ)

90年代より音楽活動をはじめる。可聴域すれすれの金切り声、うめき声、舌打ちなど口内で発生する、声ならぬ声による自称「ハウリングヴォイス」によるパフォーマンスで知られる。ソロ以外にも、シンセサイザー、サンプラー、その他の楽器との共演を行い、2003年には、『astro twin+cosmos』でアルスエレクトロニカ・デジタル・ミュージック部門ゴールデンニカを受賞。著書に『サマースプリング』(太田出版)、『雪ちゃんの言うことは絶対。』(講談社)など。批評家で音楽家の大谷能生との『朗読デュオ』では、実験的な舞台空間を作り上げている。
吉田アミブログ

協力:美学校音楽コース