イベント EVENT

ドキュメンタリー映画『最後の吉原芸者 四代目みな子姐さん 吉原最後の証言記録』公開期間中トークショー&ワークショップ開催

詳細 DETAIL

混雑が予想されるため、メール予約をおすすめします。お申込みはこちらから!

7/27(土)公開のドキュメンタリー映画『最後の吉原芸者 四代目みな子姐さん —吉原最後の証言記録—』では、公開期間中に多彩なトークショー&ワークショップを開催!音楽あり笑いあり学問ありの充実の2週間をお楽しみください!
※イベントはすべて映画とセットです。満席の場合は、トークショー(ワークショップ)からの参加はお断りする場合がございます。ご了承ください。

7月27日(土)

ゲスト:渡辺憲司さん

(近世文学研究者、立教大学名誉教授、立教新座中学校・高等学校校長)

●渡辺先生は、震災後に立教新座高校卒業生へ向けたメッセージで話題の方となりました。ご専門は近世文学であり、江戸文化に関する著作を多数上梓されています。遊郭吉原の文化に真正面から切り込みます。
●著作:江戸遊女紀聞: ―売女とは呼ばせない (ゆまに学芸選書)
卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ。


7月28日(日)
ゲスト:櫻川七好(さくらがわしちこう)さん、三味線:よし涼さん

●日本に5人だけとなってしまった幇間(ほうかん)さん。太鼓持ちともいいます。江戸時代から伝わるお座敷遊びのなかで、面白おかしく場を盛り上げたりとりもったりする役目の方です。落語に近い語り口ですが、より軽妙洒脱、即興的な楽しさをご堪能いただけます。
東京浅草組合「浅草見番」公式サイト


7月29日(月)
ゲスト:三笑亭夢花(さんしょうてい ゆめはな)さん


●落語芸術協会の噺家さんです。
●「花魁(おいらん)」を知っていますか?
江戸時代の遊女です。洒脱な会話やふるまいのできる、粋で財力もある男性でなければ会うことすらできませんでした。そんな花魁に待っていた出会いは思いもかけないものでした。この日のお題は古典落語「幾代餅」。笑いあり、涙ありの、花魁の物語の続きは夢花師匠のお噺でお楽しみください!
三笑亭夢花さんプロフィール


7月30日(火)本編上映後、特典映像上映あり

アップリンクのお客様のために制作した映像をご覧いただけます。みな子姐さんを撮っていた監督が、なんと撮影される側に?!


7月31日(水)
ゲスト:小泉和子さん

(昭和のくらし博物館館長)
●1933年生まれの小泉さんは、江戸文化の情景が色濃く残る昭和の時代を鮮明にご記憶されています。懐かしい江戸と昭和のお話をしていただけます。
昭和のくらし博物館


8月1日(木)
ゲスト:松沢 呉一さん


●性風俗文化研究家、ライター
●吉原のみならず、幅広く日本の性風俗文化に詳しい松沢さんは、この映画をどう観るのでしょうか。安原監督と対談形式で、この映画のもつ広がりを考えていきます。松沢さんの著書は『エロスの原風景─江戸時代~昭和50年代後半のエロ出版史』(ポット出版)、『エロ街道をゆく―横丁の性科学』(ちくま文庫)など多数あり。
松沢呉一の黒子の部屋
松沢呉一 | Facebook


8月2日(金)
ワークショップ:「日本の音楽と楽器に、ふれてみよう」


●日本には、さまざまな楽器と、それらが奏でる日本の音楽があります。それらを聞いて、さわって、体験してみましょう。
●講師:望月太左衛(もちづきたざえ)さん、二三松(ふみまつ)さん

●望月太左衛さんは18世紀後半(安永年間)より歌舞伎の音楽(囃子方)を支えてきた望月家のご長女です。伝統芸能教場・鼓樂庵を中心に、日本の伝統芸能を伝える活動をしていらっしゃいます。伝統芸能教場・鼓樂庵
●二三松さんは吉原遊郭を半玉として体験されている最後の方です。二つの鼓を同時に打ち分ける二調鼓(にちょうつづみ)という芸をお持ちです。素晴らしい鼓の音をご堪能ください。


8月3日(土)
ゲスト:都築響一さん

●編集者としての視点を持ち、写真家、アーティストとしても活躍されています。70年代から現代まで、社会を観察し、それを独自の視点で切り取り、発信されてきました。都築さんの視点で、女性ミュージシャンであったみな子姐さんを切り口に日本文化の今を語っていただきます。
ROADSIDERS’ weekly


8月4日(日)
ゲスト:ヴィヴィアン佐藤さん


●ドラァグクイーン(drag queen)であり、且つその枠に収まりきらない、すばらしい芸術家です(ご本人は「非建築家」とおっしゃっているようです)。造形芸術や絵画、文学、文化など幅広い分野に精通されており、みな子姐さんの生きた時代について様々な角度からお話をお聞きできます。
Vivienne Sato | Facebook


8月5日(月)
ワークショップ:「日本の音楽と楽器に、ふれてみよう」

●満席必須のワークショップの二回目です。閉ざされたお座敷でしか聴くことのできない鼓の音を、ぜひこの機会に体験してみましょう。
●講師:望月太左衛(もちづきたざえ)さん、二三松(ふみまつ)さん


8月6日(火) 本編上映後、特典映像上映あり

●アップリンクのお客様のために制作した映像をご覧いただけます。


8月7日(水)
ゲスト:さくらぐみ「投扇興(とうせんきょう)」

※和ゆら処さんのオリジナル銘定表を用います。

●さくらぐみは和の文化を身近に楽しむ体験をのんびり提案するグループ。隅田川に架かる橋・桜橋を中心に墨田区向島と台東区今戸エリアがホームグラウンドです。この日は投扇興(とうせんきょう)をご紹介します。投扇興は扇を投げて落ちた形に百人一首や源氏物語を見立てた名前をつけて遊ぶ、いわばジャパニーズダーツです。さくらぐみでは、すみだの落語にちなんだ名前を付けた、この地域ならではの銘定表を用いています。和の遊びを楽しむ活動をされている【和ゆら処】さんによるオリジナルの銘定表です。江戸の優雅な遊びを、すみだの情緒でお楽しみください。


8月8日(木)
ゲスト:田坂州代さん


●日本演劇学会会員
●邦楽はじめ、歌舞伎・文楽・落語・講談・浪曲等に幅広く精通している方です。歌舞伎で観る吉原のお話をお聞きします。
田坂州代


8月9日(金)
ゲスト:安原眞琴監督

●最終日は監督がお話しします! みな子姐さん直伝の簡単なお座敷遊びをお教えします。映画の中でも、高校生がみな子姐さんに教えていただき、目をきらきらさせて楽しんでいました。最後に応援いただいた皆様とごいっしょに楽しく〆たいと思っています。どうぞご参加ください!


350年にわたる吉原の歴史を一身に背負った最後の吉原芸者を追ったドキュメンタリー



本作は、2010年に90歳で亡くなる直前まで現役で活躍した「吉原芸者 みな子姐さん」を、2005年の夏から2010年の1月まで密着して撮った映像記録である。

吉原という廓の中の引手茶屋という、現代で言う「お座敷」が、みな子姐さんのホームグラウンドであった。昭和33年(1958年)の売春防止法により、吉原の遊廓としての歴史は完全に幕を閉じたが、みな子姐さんは僅かに残された引手茶屋で芸を披露していた。さらに、それらの茶屋も平成10年(1998年)に全滅するが、お姐さんは「遠出」と言って吉原以外の花街のお座敷で活躍し続けた。

みな子姐さんの心と体にのみ息づいていた「吉原の記憶」を、カメラを通して記録したのがこの映像である。お手軽でバーチャルな文化がもてはやされる昨今、吉原芸者として80年を芸一筋に生きた彼女の姿は、我々にホンモノとは何かを問いかけてくる。


ドキュメンタリー映画『最後の吉原芸者 四代目みな子姐さん —吉原最後の証言記録—』(2013年/日本/59分)
撮影・編集・制作:安原眞琴
出演:四代目みな子(吉原芸者)、二三松(元吉原芸者)、聖子(浅草芸者)、七好(浅草芸者)、渡辺憲司ほか
協力:佐藤一彦、中野三敏ほか