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コラボ・モンスターズ!!の因果オーホー

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「俺、いい映画作れるよう頑張るよ!」
「勝手に頑張ってください」
「え……」


コラモン@アップリンク第6弾は、古澤健特集!
2008年、商業映画を撮れずにいた古澤はひょんなことから自作自演の自主映画シリーズを作り始めることになった。「笑い」「恋愛」「青春」をテーマにしたこのシリーズは、その後の古澤の商業映画への自覚せざる助走となった。かつての8ミリフィルムとは違う自主映画が古澤にもたらしたものを検証してみます。

【タイムテーブル】

19:00~[上映]コラモンセレクト作品

①『古澤健のMっぽいの大好き』(2008/20分/miniDV)

■監督:古澤健
■出演:川口陽一 渡辺あい 佐野真規 古澤健
『Mっぽい』シリーズ第二作。2008年の未来からやってきたフルサワが、まだ夢見るフリーターである90年代のフルサワに兄貴ぶってしようもない依頼をする。そのことでフリーターフルサワの夢に変化が……。『making of LOVE』の原型。

初公開『古澤健のやっぱりMが好き』(2011/20分/miniDV)

■監督:古澤健
■出演:川口陽一 渡辺あい 佐野真規 古澤健
『Mっぽい』シリーズ完結編。映画監督を目指す90年代のフルサワが、アドバイスを得ようと2010年のフルサワに会いに行くがそこで見たのは撮影現場でセクハラをする醜い未来の自分だった。自分を変えるために若きフルサワが選んだことは……。

『lovemachine』(20011/27分/BD)

■監督:古澤健
■出演:石川貴雄 小島可奈子 猪原美代子 小川絵理奈
前作『making of LOVE』に続く古澤健の男の“LOVE道”。本能のままに女を追いかけ回すの主人公の姿はまるで古典落語の人物がそこにいるかのようである。


20:15~[トーク]
コラモン・トークライブwith渡辺あい他

「古澤の頑張りって結果を生んだのかな? どう思う、みんな?」

古澤健の『Mっぽい』シリーズに関わったスタッフ・キャストを迎えて、古澤が改めて自主映画制作の中でつかみとろうとしたことと、その後『今日、恋をはじめます』へと繋がるモチーフの発見について証言してもらいます。

渡辺あい:映画監督。1984年東京生まれ。大工原正樹監督『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』の助監督を経て、『電撃』で監督となる。最新作は『MAGMA』。


21:05~[上映]

①『kasanegafuti』(2011/27分/HDV)

■監督:西山洋市
■出演:宮田亜紀、鈴尾啓太、名久井茉那、内木英二、川村基之
三遊亭円朝『真景累ヶ淵』をわずか27分間に凝縮し、むき出しにする試み。西山洋市が取り組み続ける“髷を着けない時代劇”の最新作。

映画芸術2012年ベストテン4位『旧支配者のキャロル』(2011/47分/HDV)

■監督・脚本:高橋洋
■出演:松本若菜、中原翔子、津田寛治、本間玲音、伊藤洋三郎
『女優霊』以来こだわり続けてきたバックステージを舞台に高橋洋が描く”真の人間ドラマ”。「20世紀には恐怖だったものがドラマに変わる瞬間!」(Phew)。


22:25~[トーク]
本日のおまけトーク(15分)

「コラボ・モンスターズ!!」とは

高橋洋・西山洋市・古澤健の3監督による短編映画製作&上映プロジェクト。これからの時代の新たな「娯楽映画」開発のために上映と対話を繰り広げている。通称「コラモン」は2012年5月、『旧支配者のキャロル』『kasanegafuti』『love machine』の三本立て公開から出発した。現在はテーマによってプログラムを様々に組み変えながら3作品の上映と他では聞けない映画トークを継続している。


高橋洋
1959年、千葉県生まれ。森崎東監督によるTVドラマ「離婚・恐婚・連婚」で脚本家デビュー。以降、映画やオリジナルビデオの脚本を多数手がけ、1995年『女優霊』(中田秀夫監督)の脚本を担当、同作は後のJホラーの礎となる。そして、『リング』(1998)では、原作小説を大胆に脚色、続く『リング2』(1999)、『リング0~バースディ』(2000)の脚本も手がけ、Jホラーを代表する脚本家としての地位を確立した。2004年には初の長編監督作品『ソドムの市』を発表。監督作として、中原翔子を主演に迎えた壮大なスケールの短編 『狂気の海』(2007)、Jホラーシアター・シリーズ完結編として制作された『恐怖』(2009)がある。脚本家としての主な作品には『復讐THE REVENGE 運命の訪問者』、『インフェルノ蹂躙』(1997)、『蛇の道』(1998)、『発狂する唇』(1999)、『血を吸う宇宙』(2001)、『おろち』(2008)など。著書には「映画の魔」(青土社)がある。


西山洋市
1959年、神奈川県生まれ。「おろし金に白い指」(高橋洋脚本、1991)、「ぬるぬる燗燗」(1992)、「ぬるぬる燗燗の逆襲」(1992)、「ホームビデオの秘かな愉しみ」(1993)など実験的なTVドラマでキャリアをスタート。1996年にピンク映画としてリメイクされた『ぬるぬる燗燗』も含めた「ぬる燗」シリーズは『桶屋』(2000)、『INAZUMA稲妻』(2005)、『死なば諸共』(2006)を経て『kasanegafuti』に至る「現代劇の皮をかぶった時代劇」の萌芽。97年の『痴漢白書劇場版II』は「青春メロドラマ」であった。その他の監督作に『完全なる飼育 愛の40日』(2001)、『稲妻ルーシー』(2004)、『運命人間』(2004)、『グロヅカ』(2005)、自主製作の『吸血鬼ハンターの逆襲』(2008)など。共同脚本作品として黒沢清監督『蜘蛛の瞳』(1998)、塩田明彦監督『月光の囁き』(1999)がある。


古澤健
1972年、東京都生まれ。大学卒業後に製作した『home sweet movie』が、1997年度のPFFで脚本賞を受賞。同年、映画美学校に入学し、黒沢清、高橋洋、塩田明彦らに学ぶ。1998年に卒業作品として監督した『怯える』がフランスのクレルモンフェラン短編映画祭に招待される。その後、演出助手として、黒沢清監督『回路』、瀬々敬久『RUSH!』等の現場に参加する。 2002年、瀬々敬久監督『超極道』で脚本家デビュー。黒沢清監督『ドッペルゲンガー』の脚本を経て、2004年『ロスト☆マイウェイ』で劇場用映画監督デビュー。主な監督作品に、『オトシモノ』(2006)、『トワイライトシンドローム デッドクルーズ』(2006)、『making of LOVE』(2010)がある。2011年公開の『アベックパンチ』での人気コミック映画化をはじめ、2012年には橋本愛主演作『Another アナザー』、武井咲主演作『今日、恋をはじめます』の2本のメジャー作品を手掛ける。