70年代末期、商業主義から弾き出された先鋭的ロック・ミュージシャン達が結束した反対派ロック運動「ロック・イン・オポジション」。当時の貴重な映像を交えつつ、その歴史と現在、そして新たな世代の誕生を、豊富なインタビューとライブ演奏の数々で綴り、連帯と意志の持続を称揚する驚異のドキュメンタリー映画「アバウト・ロック・イン・オポジション」、待望の日本語字幕版上映!
さらに元ヘンリー・カウのメンバーが在籍するアルトー・ビーツのコンサートもあわせて開催!
2012年 アメリカ映画 / 監督:アデル・シュミット&ホセ・セガーラ・ホルダー
©Zeitgeist Media LLC
公式HP:http://www.progdocs.com/Progdocs.com/RW_Vol._2.html
それから30年近く経った2007年4月、南仏カルモーで「ロック・イン・オポジション・フェスティバル」が復活した。今や全欧はおろか米大陸、アジアなど全世界から観客の集まる中、ユニヴェル・ゼロ、プレザン、アートベアーズ等、RIO源流のミュージシャン達はもちろん、彼等に音楽的・思想的に影響を受けた新世代のバンド、ユーゲン、シンキング・プラーグ、スリーピータイム・ゴリラ・ミュージアム等もステージに上り、RIOの意思は脈々と持続し、引き継がれている事を証明した。そして当時RIOのメンバーでは無かったが同時代に全く独自の音楽を商業主義の外で作り続けてきたマグマやファウスト、そして日本でも自主独立路線で活躍する吉田達也の高円寺百景やSax Ruins、鬼怒無月のSalle Gaveau等の参加により、運動は終焉した後も、その意志は時間的にも空間的にも世界中に拡がりをみせている事も。
2011年9月、第三回ロック・イン・オポジション・フェスティバル。ここで時代を変えるコンサートが開かれた。RIO運動の初期メンバーであるベルギーのバンド、ユニヴェル・ゼロ、プレザン、そして彼らに影響を受けた若いバンド、アラニスの合同演奏が行われた。映画はこの歴史的コンサートを出発点に、時間と場所を駆け巡ってゆく。1978年ロンドン、ブリュッセル、ミラノ。2010年ワシントンDC、1968年パリ…時間と場所を越えてつながろうとしたRIO運動そのものの様に。そこで語るのは正に伝説の人物たち、ヘンリー・カウのクリス・カトラー、マグマのクリスチャン・ヴァンデ、ヤードバーズやローリング・ストーンズを見出し、ソフト・マシーンやマグマのマネージャーでもあったジョルジオ・ゴメルスキー etc, etc… 映画は過去を紐解きながらも、未来への展望と希望を語って閉じられる。それは商業主義に背を向け、信念を貫き通すために自ら苦難の道を30年以上に渡って歩み続けてきた者達の言葉だけが持つ説得力を持っている。
今日ではインターネットを基盤として当たり前になった世界中のミュージシャン達の多彩な共演・共同作業や自らの信ずる音楽を自らの手で自主的に流通する文化を、遥か以前から実践する先駆者達の言葉は、音楽ひいては文化の今日的閉塞状況を打破することへの励ましとヒントに満ちている。
「どんな困難な状況でも、何かは常に可能なのです」(クリスチャン・ヴァンデ)
アルトー・ビーツ:
ヘンリー・カウ ファーストアルバム「伝説」メンバー3名、クリス・カトラー、ジョン・グリーヴス、ジェフ・リー+在英日本人ユミ・ハラ・コークウェルによる新たなる伝説の創生!
アルトー・ビーツ2013日本ツアー:http://yumihara.exblog.jp/19464877