2011年12月よりスタートした「国際水映画祭」。誰にとっても必要な「水」をテーマに、資源の枯渇、水をめぐる紛争・戦争、水道民営化、開発、海洋汚染、など多様な切り口で国内外の映像作品を上映。第2回目の今年は9月1日に開催し、水俣病と原発・海の放射能汚染、アジアの水などをテーマに計6作品を上映予定です。この「国際水映画祭」として前日の8月31日にUPLINKにてプレイベントとして「雨さえも- ボリビアの熱い一日」の上映とトークショウを開催!
映画監督のセバスティアンとプロデューサーのコスタは、新大陸の発見者クリストバル・コロンを描く映画撮影のため、スタッフとともにボリビアのコチャバンバを訪れる。現地では、欧米企業による水道事業の独占により住民が水道料金の大幅値上げに苦しめられていた。大勢のエキストラ応募者の中から、スタッフの目にとまった先住民族のダニエルは、映画の撮影の合間に抗議運動に参加している。目の前で起こる抗議運動はいつしかかつての植民地支配の構図とオーバーラップしていく。
2000年初頭にボリビアで起こった水道事業を巡る攻防「水戦争」を、映画スタッフの目を通して描いた社会派ドラマ。 劇中劇でコロンを演じたカラ・エレハルデは、2011年のゴヤ賞で助演男優賞を受賞。『麦の穂をゆらす風』等、ケン・ローチ監督作品で知られるポール・ラヴァーティが、脚本を担当している。
原題:”Even the Rain”
制作年:2010年
制作国:スペイン・フランス・メキシコ
上映時間:99分
監 督:イシアル・ボジャイン
出 演 : ルイス・トサル、ガエル・ガルシア・ベルナル、エンマ・スアレス
トークゲスト:太田昌国さん(民族問題研究家)
人文書の企画・編集の仕事に携わりながら、みずからも、第三世界の諸問題、民族・植民地問題、南北問題などについての発言を続けている。ボリビアの映像集団「ウカマウ」との連帯・交流をベースに、「ウカマウ」の映画を日本国内にて紹介・上映してきた。主著に『「拉致」異論』(河出文庫)、『チェ・ゲバラ プレイバック』(現代企画室)、『暴力批判論』(太田出版)などがある。映画関連書には、編著『アンデスで先住民の映画を撮る』(現代企画室)がある。