イベント EVENT

ドキュメンタリー・ライヴハウスact.3 『ジョン・ケージ』vs『アート・オブ・トイピアノ』

詳細 DETAIL

ライブを観るように映画を体感!
もはや映画館はライブハウスだ!

音楽ドキュメンタリー映画を勝手に対バン形式で上映する好評の月例企画。第3回は生誕100年記念として、『ジョン・ケージ』と、『 アート・オブ・トイピアノ/マーガレット・レン・タンの世界』!

毛利悠子(美術家)、佐藤実(アーティスト)、村井啓哲(サウンドアーティスト)を迎え、上映と上映の合間には映画の観どころを紹介したトークも!司会は当イベントの企画者で元『ユリイカ』編集長+『庭にお願い』のプロデューサーこと須川善行あらため才蔵。

「音楽が芸術形態となる可能性を彼は常に提起していた」モートン・フェルドマン
「沈黙を遮るのをやめよ。沈黙はすでに存在する」ジョン・ケージ

◆上映作品:
『ジョン・ケージ』(1992/ドイツ/58分)
『アート・オブ・トイピアノ』(2004/米・シンガポール・香港/91分)

◆トーク出演:
毛利悠子(美術家)、佐藤実(アーティスト)、村井啓哲須川才蔵


『ジョン・ケージ』

(1992/ドイツ/58分/スタンダード/カラー)
監督:クラウス・リンデマン
出演:ジョン・ケージ、デヴィッド・チュ-ドア、アンサンブル・モルデン、他


現代音楽に革命的な思想をもたらし、絶大なる影響を与えたジョン・ケージの軌跡…。
現代音楽家ジョン・ケージ(1912-1992)の人物像を追ったドキュメンタリーと彼の作品の演奏との2部構成の作品。ピアノの弦にボルトやナット、ゴムなどを挟んで弾くことでピアノ本来の音色を変えてしまうケージの傑作発明のプリペアド・ピアノや、さまざまな非楽器を使用した演奏は貴重な映像である。本作には元来フランクフルト・旧オペラ座でケージの音楽活動を祝うコンサートであったが、惜しくもケージはその3週間前に他界したため、追悼コンサートとなった演奏を収録。思いも寄らない発想で、常に聴衆を驚かせ、あるがままの「音」を追求したケージ。偶然性に基づく作曲の出発点となったとされる『プリペアド・ピアノと室内管弦楽のための協奏曲』と、指揮者が不安定な時を刻む時計と化し、演奏者全員が独立したソロを演奏する『ピアノと管弦楽のためのコンサート』の2作品をケージの長年のパートナーであったデヴィッド・チュードアらをピアノに迎えアンサンブル・モデルンが演奏する。

またアップリンク・ギャラリーでは『ピアノと管弦楽のためのコンサート』でデヴィッド・チュードアが弾く同曲のためのソロ譜『ピアノのためのソロ Solo for Piano』を展示する。

★展示についてはこちら
『ピアノと管弦楽のためのコンサート』でデヴィッド・チュードアが弾く同曲のためのソロ譜『ピアノのためのソロ Solo for Piano』展示


『アート・オブ・トイピアノ/マーガレット・レン・タンの世界』

(2004/米・シンガポール・香港/91分/スタンダード/カラー)
監督:エヴァンス・チャン
出演:マーガレット・レン・タン、佐藤聡明、他


ハープのようにグランドピアノをつま弾き、ベ-トーヴェン、ビートルズをトイピアノで演奏する“アヴァンギャルド・ピアニスト”、マーガレット・レン・タン。女性で初めてジュリアード音楽院博士号を修得し、トイピアノ演奏の第一人者でもある彼女の新しいピアノ言語への挑戦を10年の年月をかけて追ったドキュメンタリー作品。

おもちゃのピアノ(トイ・ピアノ)を国際的なコンサート・ステージに相応しい楽器に変える彼女の魔術的とも言える才能は、圧巻である。彼女が師事したジョン・ケージのプリペアド・ピアノのための楽曲や、ジョージ・クラムの「マクロコスモス」の演奏に加え、マーサ・カニングハムのダンスパフォーマンス、ジャスパー・ジョーンズの絵画、マルセル・デュシャンの映画など貴重な映像と共に20世紀のアバンギャルド音楽の歴史を辿る。


毛利悠子(美術家)


1980年生まれ。美術家。独特な機械構造を用いて展示環境全体を有機的かつユーモラスに構成するインスタレーションを制作している。2012年は、『サークルズ』(ギャラリーwaitingroom)『サーキッツ』(adandaコーポ北加賀屋)『サーカス』(東京都現代美術館)という3部作作品を発表。またグループ展では〈X-Sound John Cage, Nam June Paik And After〉展(ナム・ジュン・パイク・アート・センター韓国)に出展した。2011年には足立智美、有馬純寿、池田拓実とジョン・ケージの作曲作品『Variations Ⅶ』の日本初公演に演奏者としても参加した。他、国内外展示多数。
http://mohrizm.net/


佐藤実,m/s,SASW (アーティスト)


1989年より”m/s”名義で活動をはじめる。1994年-2006年レーベル「WrK」を運営。自然記述と美術表現の関係に関心を持ち、物理現象やテクストを用いたインスタレーション、パフォーマンス、執筆などの制作活動を行っている。主に海外の美術展への出品、CD・LPのリリース、ソロやASUNAとのライブ活動、「IL GRANDE SILENZIO」「f u r」でのバンド活動がある。また学芸員としてアートイベントの企画を行う。
http://www.ms-wrk.com/


村井啓哲(サウンド・パフォーマー/アーティスト)


1962年東京生れ。主にエレクトロニクスを利用した反制御的操作に基づくサウンド・パフォーマンスを行う。
また自身の活動と平行してジョン・ケージの非五線記譜法による非器楽曲、フルクサス参加作家によるイベント作品の解釈と演奏なども行っている。
http://www.keitetsu.com/