幼いころに母と別れ、父親を亡くし、祖父母と常陸太田市町屋に暮らす中学3年生の圭輔。夏休みに夏期講習と偽り、母親が住むという那珂市上菅谷に会いに行こうと決意をする。幼なじみの桜と義明と一緒に行こうと待ち合わせをするが、義明がバスの時間に遅刻し、仕方なく駅まで歩くことに。歩きながらヒッチハイクをしていると、幼い子供をもつ母親・理香の運転する車に圭輔は引かれそうになってしまう・・・。
家族、友人、恋愛、進路、震災・・・。
中学3年生の夏休み。今を精一杯に生きる彼らの姿は、大切な何かを感じさせてくれるだろう。
「走れ」の製作スタッフは、全員が茨城県在住で有志の集まり。カメラマン・照明・音声の最低限の技術スタッフ5名以外は全員が映像作りはもちろん、現場も見るのがはじめての約30人の素人スタッフ。それでも映画を一緒に作るという思いのもと、自分たちにできること、そしてそれ以上のことを楽しんで行い、連日の真夏日の中、一丸となって1本の映画が作りあげられました。
また監督とプロデューサーの意向で、出演者は演技経験が無い人を中心にオーディションから選考、スカウトが行われました。全ての出演者がはじめてとは思えない存在感で佇み、中でも主演の鬼澤拓人と浅川実穂はスクリーンの中で生き生きと輝き、初々しくも強い印象を残している。
KFCとはカミスガフィルムコミッションの略。茨城県央と県北を結ぶ水郡線の分岐点である上菅谷駅を中心に皆が親しめる街づくりを目指す「カミスガ★プロジェクト」から生まれた活動です。
みんなで映像を体感し、発信し、たくさんの人に改めて茨城の魅力、映像・映画の魅力を楽しんでいただこうと、2012年にKFCが設立されました。
水郡線で映画を作ろうと、監督・大内靖の構想にあった大子・常陸太田・水戸・上菅谷を結ぶ水郡線をめぐる3つの短編物語の一つ、常陸太田と上菅谷を結ぶ物語「走れ」がKFCの第一弾として製作されました。今後、「大子」・「水戸」と製作され3部作となる予定。上映も水郡線沿線を中心に開催。地元発、地元製作、地元で愛される、デジタル時代の、映画の新たな可能性かもしれない。
企画/製作 KFC(カミスガフィルムコミッション)・大内組
配給 カミスガプロジェクト