2011年3月11日から1年以上が経った今。
被災地は少しずつ復興に向かっていますが、
多くの被災者が今も心に癒されない傷を抱えています。
震災は、これまで当たり前だった日常を非日常に変えました。
ただ皮肉にもそれがきっかけで日常に埋没した大事な感情を再発見したことも事実です。
でも、次第に日常を取り戻し、みんなの生活の中で当時の記憶が色あせていくにつれて、
あの時感じた大事な感覚が薄まっているように感じます。
この映画を見終わった後、みなさんが
「震災が過去のものではないこと」
「この先ずっと日本人が忘れてはならないことであること」
を感じていただければ幸いです。
── 吉川信幸(『いつかのピクニック』監督)
2011年3月11日、岩手県陸前高田市で映画を撮影中に被災した撮影クルー。
彼らは当時撮影出来なかったラストシーンをもう一度撮るために再び東北へと向かう。
それはそれぞれのとまった時計の針をもう一度動かすための旅でもあった。
本作は東日本大震災後、震災によって被災した人たちがそれぞれの傷を乗り越え
再び前へと歩いていくまでを過程を追った作品である。