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『ワイルド コンビネーション:アーサー・ラッセルの肖像』

詳細 DETAIL

ニューヨーク・ダウンタウンの伝説、アーサー・ラッセル。
その純粋にして深遠な、生涯の真実。

“彼にちょっと恋をしていた───”(アレン・ギンズバーグ)

1970〜80年代のNYダウンタウンの音楽シーンで高く評価されるものの有名になることなく、1992年にエイズによる合併症で亡くなった音楽家アーサー・ラッセル。現代音楽、ディスコ、フォークといった異なるジャンルを行き来しながら自身の音楽を作り、天才と呼ばれながらも不器用だったその姿を両親、恋人、仲間が語るドキュメンタリー映画『ワイルド コンビネーション:アーサー・ラッセルの肖像』。本作の日本版DVDの販売を記念して、一夜限りの上映会を開催します。

OPEN FACTORY企画(主催・企画:TANG DENG + normal screen

上映作品

『ワイルド コンビネーション:アーサー・ラッセルの肖像』

(2008年/アメリカ/71分/英語/日本語字幕)

出演:フィリップ・グラス、アレン・ギンズバーグ(資料映像)、デイヴィッド・トゥープ、他
監督:マット・ウルフ
日本語字幕制作:Normal Screen

1980年代、音楽に関する実験と革新の拠点ニューヨーク・ダウンタウンを住処としたアーサー・ラッセル (Arthur Russell、1952 – 1992)。彼は、アコースティック/エレクトリックを横断しながらジャズやクラシック、ミニマルの手法を使用し、現代音楽や、フォーク、ニュー・ウェイヴ、ディスコ/ダンスなどのアヴァン&エクスペリメンタル・ポップ・ミュージックを作曲・演奏、シーンからシーンへといくつもの異なる音楽の間を渡り歩き、あるいはそれらを繋いだ(モダン・ラヴァーズを前衛シーンに紹介したのは他ならぬアーサーだ)。ウォルター・ギボンズ、フランソワ・K、そしてラリー・レヴァンらと共に生み出した一連の重要な12インチ・シングルによってダンス/クラブ・ミュージックの歴史を推し進め、また黎明期のハウスやヒップホップにも大きな影響を与えたスリーピング・バッグ・レコーズを共同設立。彼の伝記を執筆したティム・ローレンスいわく“当時のダウンタウン音楽シーンの途方もない複雑さの水先案内人として比類なき適任者”であり、その功績は今日のアンダーグラウンド・ミュージックにおける最大の礎のひとつと言って過言ではない。この映画は、関係者へのインタビューをベースに、アーサー・ラッセルの音楽的偉業を全編にわたって振り返りつつ、ゲイであった彼のパーソナリティに光を当てる。アイオワ州の片田舎に育ち、チェロと出会い、ニューヨーク・ダウンタウンを駆け抜け、そして1992年にエイズの合併症で亡くなるまでを丁寧に綴ったドキュメンタリーであり、全く謎めいたアーサーの人生を捉えるにあたって最善のイントロダクションとなるだろう。