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F/T ディスカッション「演劇とコントのあいだ」(出演:松田正隆、神谷圭介、綾門優季)

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フェスティバル/トーキョー(F/T)とアップリンクのクロスオーバー企画第一弾! マレビトの会の松田正隆とテニスコートの神谷圭介が“コント”をテーマにディスカッションを繰り広げる一夜限りのイベント。

F/T16のラインナップ作品『福島を上演する』の作・演出を手掛ける「マレビトの会」の松田正隆が、同作の脚本執筆にも参加しているコントユニット「テニスコート」の神谷圭介とともに気になるテーマについて掘り下げるトークイベントを開催。ナビゲーターを務めるのは青年団リンクキュイの綾門優季。テーマは“コント”。資料映像の上映とトークを中心に、演劇とコント、それぞれの視点からその面白さを紐解いていきます。

松田正隆(まつだ・まさたか)

マレビトの会代表。1962年長崎県生まれ。96年『海と日傘』で岸田國士戯曲賞、97年『月の岬』で読売演劇大賞作品賞、98年『夏の砂の上』で読売文学賞受賞。2003年より演劇の可能性を模索する集団「マレビトの会」を結成。主な作品に『cryptograph』(07)、『声紋都市—父への手紙』(09)、写真家笹岡啓子との共同作品『PARK CITY』(09)、『HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』(10)、『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』(12)、『長崎を上演する』(13〜16) などがある。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。

マレビトの会

2003年、舞台芸術の可能性を模索する集団として設立。代表の松田正隆の作・演出により、2004年5月に第1回公演『島式振動器官』を上演する。2007年に発表した『クリプトグラフ』では、カイロ・北京・上海・デリーなどを巡演。2009, 10年に被爆都市である広島・長崎をテーマとした「ヒロシマ―ナガサキ」シリーズ(『声紋都市―父への手紙』、『PARK CITY』、『HIROSHIMA―HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』)を上演。2012年には、前年の3月に発生した震災と原発事故以後のメディアと社会の関係性に焦点を当てた『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』を発表。2013年より、複数の作者がひとつの都市をテーマに戯曲を書き、その上演を行うことを繰り返し行う長期的なプロジェクトに取り組んでいる。2016年には、3年間の集大成として『長崎を上演する』を上演し、現在は福島に対象を移してプロジェクトを継続している。「ヒロシマ―ナガサキ」シリーズ以降、集団創作に重きを置くとともに、展覧会形式での上演や、現実の街中での上演、インターネット上のソーシャルメディアを用いた上演など、既存の上演形式にとどまらない、様々な演劇表現の可能性を追求している。


神谷圭介(かみや・けいすけ)

1979年千葉県生まれ。武蔵野美術大学卒。書籍の企画構成、イラストや文章執筆のほか構成作家、デザイン、映像制作など活動は多岐にわたる。書籍では『はじめてのトリック野郎』(ポプラ社)、『おとなのおりがみ1・2』(山と溪谷社)、『あたらしいみかんのむきかた1・2』(小学館)などのイラストや文章を手がけた。スガタデザイン研究所所属。また、コントユニット「テニスコート」のメンバーとして活動している。

テニスコート

小出圭祐、神谷圭介、吉田正幸の3名で武蔵野美術大学在学中に結成される。ナンセンスコメディをベースにしたコントを展開するコントグループ。定期的にコント公演を行うほか、雑誌での連載や寄稿、書籍でイラストや文章なども手がける。


綾門優季(あやと・ゆうき)

1991年、富山県出身。劇作家・演出家・青年団リンク キュイ主宰。青年団演出部。2011年、専属の俳優を持たない、プロデュース・ユニットとして「Cui?」を旗揚げ。2013年、『止まらない子供たちが轢かれてゆく』で第1回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。2015年、『不眠普及』で第3回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。2016年、ユニット名を「青年団リンク キュイ」に改称。


▼公演情報

マレビトの会 『福島を上演する』

作・演出: マレビトの会
会場:にしすがも創造舎
11/17 (木) ─ 11/20 (日)
※各回上演内容が異なります。アイダミツル、神谷圭介、松田正隆、三宅一平、山田咲による複数の戯曲を上演します。

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複数のドラマが立ち上げる、福島の「いま」に映るのは――

 作家・松田正隆の故郷・長崎に取材した『声紋都市-父への手紙』(F/T09春)、韓国人被爆者への取材を題材にした『HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』(F/T10)など、未曾有の体験を経た都市の過去と現在を複眼的に捉え、再構築してきたマレビトの会。F/T12で上演された『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』に続き、福島に向き合う本作は、2013年から3年間にわたって、長崎を対象に展開したプロジェクトの延長線上にある。複数の作家が一つの都市を取材し、執筆した戯曲群を、ごくシンプルな空間で上演するその試みは、何気ない日常の風景を「ドラマ」として切り取り、それらの集積を通じて、対象とする都市に固有の時間/歴史を探り出そうとする。震災から5年。4日間4公演にわたる複層的な上演がかたちづくる、福島の「いま」に映し出されるのは――。現実を前にした「ドラマ」の意義をも究める実験が、ふたたび始動する。