PAD1台、十指を駆使した超絶指テクによって唯一無二の人力JUKEを叩き出すPAD奏者・KΣITOと、リズムマシンにリアルタイムでアルゴリズムを書き込むライブコーディングによって即興演奏を行う、“弾かない”高速プログラマー・Renick Bellが初競演。
コンピュータ・ミュージックの発展により、楽器と楽音、演奏者の身体性と演奏の関係は自明のものではなくなり、演奏行為とそれが紡ぎだす音像が必ずしも直接的な対応関係を結ばなくなった。演奏者の身体から、楽器を媒介して観賞者の身体に届けられていたリズムは、電子音楽によって、楽器はマシンにとって代わり、より強化された形で私たちの身体を刺激する。
1台のサンプリングPADと十指のみを駆使して、マシンのように正確無比でパラノイアックなJUKEのポリリズムを叩きだすKΣITOの機械的ともいえる身体性と、自らがリズムマシンのプログラマーとなり、その場でアルゴリズムを書き込むことで、まるで楽器を演奏するかのように自由で予測不能な、マシンの即興演奏を展開するRenick Bell。
彼らは、それぞれ対照的な手法によって、このような身体/演奏/楽器/機械の連合関係を攪乱する。
ライブ中、プログラミングのプロセスをスクリーン投影し、演奏をマトリックスの如き文字の羅列としてメタレベルでみせるRenickと、瞬き禁止KΣITOの高速かつ複雑な指さばきをヴィジュアライズするのは、気鋭のVJ/グラフィック・アーティストの浮舌大輔。Renickのプログラミングコード、KΣITOの超絶指テクが、浮舌大輔のシュールでサイケデリックな視覚世界でミックスされる。
今回のイベントでは、このドープでサイケデリックな即興演奏を、オール・シッティングでの観賞という形態をとる。身体揺らし可、脳で踊るメタ身体的ダンスミュージック!!
KΣITO
トラックメーカー、DJ
小学生の頃にヒップホップに出会い、13歳でDJとしてキャリアをスタート。17歳の時にAKAI MPC2000を購入しトラックメイクとMPCの演奏を始める。その後実験音楽、民族音楽、チップチューン、ファインアートなど様々な分野に寄り道するが、並行してヒップホップグループALTのトラックメイクとライブにおけるビートを担当。2012年ごろからJuke/Footworkのトラックを制作し始め、2013年に初のEP、”JUKE SHIT”をリリース。同時にJukeの複雑なビートをシーケンサーを使わずに全てパッドを叩いて演奏するライブを開始。Juke/FootworkのオリジネーターRP Boo、TRAXMANの前でもライブを披露しその度肝を抜いた。その卓越したスキルとリズム感覚は、クラブシーンのみならず広く音楽シーンから注目を集め、七尾旅人主催の「百人組手番外編」(2014)や、大友良英とアジアのミュージシャン達とのセッション企画「ASIAN MEETING FESTIVAL」(2015)に出演。これまでに七尾旅人、向井秀徳、大友良英、dj sniff、坂田明、田我流、OMSB等様々なラッパー、ミュージシャンとのセッションを重ねている。最近ではタムを多用したジャンル、Gorgeのシーンにも接近し、その要素を取り入れたライブを行っている。
HP:http://keitosuzuki.com/
Sound Cloud:https://soundcloud.com/keitosuzuki
SNS:https://twitter.com/keitozolgel
メディア・アーティスト、プログラマー
アメリカ・テキサス州出身。2006年から東京を拠点に活動し、2015年に多摩美術大学で博士号を取得。リアルタイムでプログラムコードを書き込み、アルゴリズムを構成する「ライブコーディング」によって、複雑で予測不能なリズムと、ヘヴィーでドープなベースを持つ独特の「即興演奏」を展開する。
これまで、ヨーロッパ、アジア、アメリカをはじめとした各国のクラブ、美術館、スクワッターが占拠する廃屋など、様々な場で演奏活動を展開してきた。近年では、algorithmとraveの混合語である〈Algorave〉を冠したライブイベントの中心人物として、世界を股にかけた演奏活動を精力的におこなっている。the3rd2ndからレコードをリリースしており、またQuantum Nativesから新作をリリース予定。
HP:http://www.renickbell.net/
Sound Cloud:https://soundcloud.com/renick
SNS:https://twitter.com/renick
still and moving image artist
http://20tn.tumblr.com