イベント EVENT

都築響一presents『VIDEO ON THE ROADSIDE──はぐれAV劇場鑑賞会』

詳細 DETAIL

都築響一presents!!たぶん観たことのない、観る機会もない映像が観られる、怒濤の2日連続イベント開催!!

一説では月に4500タイトルがリリースされているともいわれ、いまや日本独自の産業といっても過言ではないアダルトビデオ(AV)。男のオナニーのための道具、というのがAVの基本的な役割で、それはいまでも変わりない。しかし日本のAVは「アダルト=おとな」のビデオという、和製英語によって、欧米のポルノビデオとは全く異なるガラパゴス的な進化を遂げてきた。そのなかには「オナニーツール」の役割を超えて、あるいは役割に足りないままに、シュールな映像作品になってしまったものが少なくない。アートでもなく、ポルノでもなく、伝統的な映画でもなく。そうした「ワケのわからないAV」は、当然ながら有名女優とも大ヒットとも無縁の商品だから、時を経て探すのがいちばん難しい作品でもある。

日々、生産→消費→廃棄され、そして「忘れ去られ」ていく数多のAVから誰も取り上げないレアグルーヴ(ビデオ)を掘りおこし、単なる(あるいは全く)エロではない、時代の記録として、また表現者の模索の痕跡としての作品群を紹介する。

ナビゲーターは写真家、編集者で、人気メールマガジン、「ロードサイダーズ・ウィークリー」の発行人である都築響一氏と、「ロードサイダーズ・ウィークリー」に〈はぐれAV劇場〉を連載中の、「抜けないAV」コレクターで、映像研究者の大須蔵人の二人が務める。
かねてから、エロメディアにおける前衛的な表現に注目し続けている都築響一と、AV史から、ユニークなAVまでの知識をもつ大須蔵人が、アダルトビデオの輝かしくも、いかがわしい歴史を、名作(迷作)を紹介しながら辿っていく。

※本イベントは18歳未満の方はご覧いただけません。


【1日目】〈AV=リアルドキュメント論〉

アダルトビデオから、いったんオナニーツールという枠組みを外してみると、そこには性を通した人間の、そして時代の記録が写し取られていることに気づかされる。
日本のAVは、その独特なドキュメント志向に特徴づけられ、またその中から「インタビュー・スタイル」や、「ハメ撮り」といった独自の映像表現を確立した。
1日目は、「リアルドキュメント」を軸に、AVの歴史と、そこから生まれたさまざまな「記録としてのAV」を取り上げる。

【2日目】〈AV=尖端芸術論〉

日本のAVで、ドキュメント・スタイルにならんで特徴的なのが、その突飛な企画力だといえる。それは決して「アート」でもなく、アートを志向するような「もはやアート」ですらない独自の原理で到達した尖端性を備えている。プレイ、パフォーマンス、ロケーションなど、AV史に輝く尖端(極北?)志向をたたえた、さまざまな実験的な作品を取り上げる。


出演:都築響一、大須蔵人