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アルゼンチン映画の秘宮(第5回)New Century New Cinema presents Cine Argentino vol.5

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映画批評家の赤坂太輔氏が、「映画大国」アルゼンチンの映画史を掘り起こすシリーズ企画。第5回は、作家・詩人としても活躍しているグスタボ・フォンタン監督の2作品を上映。

現代アルゼンチン映画作家を代表する一人グスタボ・フォンタン。イメージとサウンドによる音楽的な彼の作品は、作家で詩人でもあることや、垣間みられるゴダール、タルコフスキー、エリセ、ブラッケージら先達からの影響にとどまらない豊かさを見てとることができる。それはいわゆる<映像詩>的なジャンルや、メディアの限界に閉ざされることのない開放感に観客を送り届けてくれるのである。
赤坂太輔(映画批評家)

【上映スケジュール】


18:15開場/18:30上映『ラ・カサ/家』(57分)
19:45開場/20:00上映『底の見えない川』(61分)+講演:赤坂太輔(映画批評家)

●日本語・英語字幕付き
●各回入れ替え制

【上映作品】


『ラ・カサ/家』(2012年/61分)※DVD上映
La Casa

監督:グスタボ・フォンタン
撮影:ディエゴ・ポレリ、グスタボ・スキアフィーノ 
録音:ハビエル・ファリナ 
編集:マリオ・ボキーキョ

ブエノスアイレス州バンフィエルドにある監督自身の生家をとらえるカメラは、今は誰も住んでいないが家族の記憶に満ちた部屋、事物、光、物音、映像それ自身から、かつて人々の生きた時間へと遡行していく。だがその運動は不意に断ち切られる。


『底の見えない川』(2008/64分)※DVD上映 ※上映素材の状態が悪く、お見苦しいところがございます。予めご了承くださいますようお願いいたします。
La orilla que se abisma


監督:グスタボ・フォンタン
撮影:ルイス・カメラ 
録音:ルイス・トルトレリ 
編集:マリオ・ボキーニョ、グスタボ・スキアフィーノ

フアン・L・オルティスの詩に想を得た作品。川をたどるカメラはやがて鬱蒼としたエントレ・リオスの森の中へ、オルティスのドキュメンタリーからの引用コラージュを通過して、いつ果てるとも知れないさまよいの旅へと向かう。


グスタボ・フォンタン
Gustavo Fontán
1960年生。ブエノスアイレス大学芸術学部卒業後、映画を志す。自分の生家を舞台にした作品集、川を題材にした作品シリーズがあり、いずれもフィクションやドキュメンタリーのカテゴリーを超えた映画を撮り続けている。最新作『顔』El rostro はブエノスアイレスインディペンデント映画祭監督賞。次回作は作家フアン・ホセ・サエールの小説に想を得た作品という。詩集と短編小説集、戯曲作品も発表している。

■主催
New Century New Cinema
アテネ・フランセ文化センター
渋谷アップリンク