(あらすじ)
港町である。時代は今、とも、かつて、とも言える。ナホトカ航路はとうになくなってしまっている。
舞台上、3つの芝居が同時に進行する。
バーカウンターでひたすら、来るはずのないナホトカ行きの船を待つトランペッター。彼は時折、立ち上がりトランペットを吹く(バーテンの男 佐藤佑哉、トランペッターの客 小西徹郎)
四方をレース布で囲まれたベッドで暮らす女。彼女は誰かを待っているようであり、また誰かを待たせてもいるかのよう。(ベッドの女、あるいはルル 伊藤さつき)
ベンチに座る男。新聞を読んでいる。彼は時事を語るが、彼自身は決して語らない。偉大なるかな。ソビエト。(ベンチの男、あるいはメフィストフェレス 三好冬馬)
3つの事象を操る案内人の女性に宝塚歌劇団娘役として人気を博した叶千佳が出演決定!彼女との会話にのみ、それぞれの物語は動き出す。
そして、来る筈のないナホトカ行きの船が港へ入ってきた時…。
美術家が師走に贈る切ない不条理劇。耽美と幻想の時間。
流れるブルース、そしてギンズバーグ。
世界的に活躍するトランペッター、小西徹郎の即興演奏と、情緒溢れる万城目純の舞踊が物語に交錯する。
美術、演劇、舞踊、音楽好き必見の舞台。